
「平成中村座ヨーロッパ公演」第2回

ベルリン世界文化の家の前で 中村橋之助――― ルーマニア公演の会場は工場でしたから、最初は本当にここで芝居ができるのかなと思いました。でもこれが、芝居本来の姿であるように感じられて、串田監督や勘三郎兄さんと、コクーンや平成中村座をはじめるときに話していた夢が、まさに実現したようにも思えて感動しました。 ドイツでのカーテンコールもニューヨークのお客さんと違って、盛り上がっていくのがすごくスローなんです。でも一度喝采が始まると、その反応が凄くて何とも言えない興奮でした。 中村扇雀――― ルーマニアのシビウは中心から少し離れていて、多分人口もそれほど多くない町なのですが、そこに、世界70数カ国、360近くの演劇のチームが集まってきて、演劇祭を開いて芝居を作り楽しんでいる、そういう事ってなかなか日本では経験出来ないことですよね。そして芝居が終わると、駐車場を使って、まるでビアホールのように、役者が集まって一緒になって飲んだり踊ったり、本当に素晴らしい文化だと感じました。 他の国の演劇祭にも、例えばフランスのアビニョンや、イギリスのエジンバラなどにも機会があればぜひ行ってみたいと思うし、それを通じて世界の方々に歌舞伎のすばらしさを広げていきたいという気持ちになりましたね。 坂東彌十郎――― ヨーロッパは基本的に大好きなんです。特にドイツとルーマニアの民族の違いはすごく面白かった。 ドイツのカーテンコールでは、最初はみんな普通に座っていて、これで終わっちゃうかな・・・と思っていると、2回目にはパラパラっと、3回目になるとワーっと盛り上がってくるんです。ところが、ルーマニアでは終わった瞬間からドーっと反応が来るんです。良く聞いたらルーマニアはラテン系の方が多いんですって。同じヨーロッパでも反応の仕方が違って、すごく面白かったですね。これからも様々な国での公演に挑戦していきたいと思っています。 笹野高史――― とても、口コミが早くて驚きました。日本では、早くても1週間くらいかかってから、お客さん増えたり反応があるんですが、今回の場合"こんなに早いの"っていうくらい! それだけ、演劇の情報網がしっかりとあって、演劇人口が多いんでしょうね。シビウなんて、反応を感じたのが翌日ですからね。生活の中に演劇が浸透してる国民なんだなと、改めて驚きました。

ベルリン公演:会場内の様子
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