苧環

おだまき


▲三代豊国・画 「妹背山女庭訓」「ゑほし折求女」「杉酒屋娘おみわ」
 嘉永2年(1849年)・大判錦絵(横)・国立国会図書館蔵(禁無断転載)
 ゑほし折求女 5世澤村長十郎、杉酒屋娘おみわ 3世岩井粂三郎

 『妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)』の「御殿」では、〝苧環〟が物語を彩る重要な小道具として活躍します。では何故、お三輪は苧環を手にしているのでしょうか。実はこの苧環は、乞巧奠(きっこうでん)のために供えられたものなのです。

 乞巧奠とは現在の七夕祭のことで、7月7日、牽牛織女(けんぎゅうしょくじょ)の織女にあやかり、五色の糸に針を通して供え、裁縫や機織の上達を祈りました。
 『妹背山』ではお三輪が、恋する烏帽子折の求女(もとめ)の心が変わらぬように、白い糸と赤い糸を苧環に巻き、これに針を付けて、牽牛織女に祈りました。そしてお三輪は、白い糸の苧環を自身が持ち、赤い糸の苧環を求女に渡し、夫婦の約束を交わしたのです。
 この苧環の糸に導かれ、求女とお三輪は、三笠山にある蘇我入鹿(そがのいるか)の御殿へとやって来きますが...。

 この続きの展開は、実際の舞台でお楽しみ下さい。(M)



解説

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