勘亭流

かんていりゅう

 歌舞伎の看板や筋書などに使われる太い筆文字を勘亭流といいます。寄席文字・相撲文字なども同じ江戸文字の仲間ですが、一見同じように見えて、それぞれ独自の発展を遂げてきた書体です。その主なルーツは武家の公文書などに用いられてきた御家流。崩した我流にならぬよう統一された筆法で、手習いの手本として江戸の庶民にも広く普及して行きました。

 勘亭流は、御家流書家の岡崎屋勘六が、安永八年(1779)に九代目中村勘三郎の依頼により中村座『御贔屓年々曽我(おんひびきねんねんそが)』の看板に考案したところから発し、勘六が「勘亭」と号したことから「勘亭流」の名称が生まれました。
字体は太く丸く、隙間なく内へ内へと書かれますが、これは"隙間なく、内へ内へと客を呼び込み、興行の無事円満を祈る"という意味が込められています。
一般の書では文字をなぞる「重ね書き」はご法度ですが、勘亭流では姿形を整える仕上げのため、僅かな補筆は認められています。(K)

解説

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