團十郎舞台復帰!

 急性前骨髄球性白血病再発のため昨年8月末から入院・休養していた市川團十郎が「團菊祭五月大歌舞伎」(5月1日~25日)で舞台に復帰することが決まり、今月15日(水)に歌舞伎座で復帰会見を行いました。

 團十郎は「大変ご心配をおかけいたしました。2月に無事退院がかない、五月團菊祭で『外郎売』の曽我五郎を勤めさせていただくことに。復帰できるということは皆様方のご支援の賜物で、私にとりまして舞台にまた復帰できるということは無上の喜び。前よりも楽しんで舞台を勤められる、そんな心境になっております。外郎売というお芝居自体そういう和やかな気持ちで勤められれば良いと、今から楽しみにしております。」 と喜びを語りました。



 現在の心境を「無間地獄から戻ってきたような気持ちです。(前回の治療にくらべ、今回の治療は)桁が違いました。再発ということは、それ相応の覚悟で病気と対峙しなければいけない、とお医者様に言われました。抗がん剤の量も前回の療法よりはるかに多い量投与します。投与されたときの気分をたとえて言えば、大航海時代に帆船に乗って1週間、猛嵐の中船底で船酔になり、ゆられていたような気分ですね」と説明。

 体力はどの位戻っていますかという質問には、「60~70%くらいは回復していると思います。不思議だなと思うのは稽古をすると体が俊敏になる。いつもならゆっくりの動きが稽古をすると早い動きがパッとできて、稽古の後には、からだが爽快に感じます」。さらに「昼も夜も出演したいと思いますが、この『外郎売』に全力を傾けるつもり。半年以上ベッドにほとんど寝ていたわけですから、“あれっ”という場合もあるでしょうから、最初から欲張らずにゆっくり直していきたいと思っています。ただ、役者根性と言いましょうか楽しみでうずうずしています。」と舞台への意欲も披露。

 入院中息子・海老蔵から「顔色がよくなった」といわれ、「嬉しいような、むずがゆいような。そのむずがゆいというのが良いのではないでしょうか?」と親子のエピソードも披露。

 療養中もベッドでは芝居のことを考えていたと團十郎さん。團菊祭五月大歌舞伎の舞台で活躍する姿がいまから待ち遠しく、期待に胸が膨らみます。

2006/03/23