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勘三郎を囲んだ記者懇親会の模様

 9月22日、京都南座「當る亥歳 吉例顔見世興行」に向けて、中村勘三郎を囲んでの記者懇親会が行われました。皆様もご存知の通り、本年の吉例顔見世興行は十八代目中村勘三郎襲名披露にあたります。以下に、懇親会での模様をご紹介致します。

<<十八代目中村勘三郎より>>

 顔見世の出演は、平成12年以来6年ぶりです。顔見世といえば、幼い頃から父(十七世勘三郎)の舞台を観に来ていて、父の最後の顔見世を三階席から観ていたこともよく覚えています。
 普通、襲名披露というと、東京の歌舞伎座を皮切りに、大阪松竹座、京都南座、名古屋御園座、博多座を回ってから、公文協の(全国のホールを回る)ツアーで締め括るので、ある日突然、あるどこかのホールで、2年がかりの襲名興行というものが人知れずひっそり終わっていくものなんですよ。それが、私は1ヶ月の、しかも南座の顔見世で締め括ることが出来るなんて、なんという幸せなんだろうと思います。江戸の役者が、京の都で「あがり」なんて、襲名のすごろくで言うと最高ですよ。終わったら、四条河原でビールを飲もうって、橋之助くんが言ってくれたんです(笑)。ほんとうに、2年間やった甲斐があるというもんですよ。

<質疑応答より・・・>
「中村勘三郎」のまねきがあがるのは昭和61年以来20年ぶりだそうですが、顔見世に特別な思い入れはありますか?

 もう、そんなに経つんですね。驚いています。でも、親父が死んで、それだけ経っているということですよね。 やはり顔見世は特別ですね。昔の南座の、おでん屋さんがあって、あの急な三階席を上って、楽屋の階段も急で(笑)…という景色が染み付いていますから。何より劇場の雰囲気というか、お客様の雰囲気も違いますよね。

「勘三郎」のお名前にはもう慣れましたか?

 はい、少しずつですが。去年、12月に歌舞伎座で『松浦の太鼓』をやらせていただきまして、普段、私は動きのある役が多い中で、松浦はずっと座りっぱなしの、動きのない役でした。その、初日に台詞を一言言って、うわぁ、親父と似てるって自分で思いましたね。親父に習った役じゃないのに。真似しようとしていないのに似ちゃったことと、動かない役でもできるようになってきたんだなぁと…その時思いましたね。でも、まだまだです。これからですよ。

襲名の最後が南座の顔見世というのは、改めてすごいですね。

 はい、幸せなことです。京都の町で、襲名の有終の美を飾りたいですね。
演目は何にしようかと色々考えましたが、いまの気持ち的にも、肉体的な面でも充実しているこの時期に動きのある、踊りの演目をという気持ちがあって、『義経千本桜』の道行、四の切の忠信と『京鹿子娘道成寺』の花子になりました。今、僕は一番いい時期だなと思うんです。体もきくし、容姿もまだそんなに衰えていないしね(笑)。「心・技・体」と言いますが、まったく、このバランスのいい時期というのは短いと思うんです。『鏡獅子』『道成寺』という二大舞踊はライフワークとしてこれからもやっていくと思いますが、『道成寺』の花子は、白拍子だから、踊りたくてしょうがないという風に、スーッと踊れるんですよね。今回は『京鹿子~』という意味でも、やはり京都で、ということですし、今から楽しみです。

顔見世らしい、そして襲名披露らしい、豪華な顔合わせですね。

 はい。みなさまの御協力あってのことで、本当にありがたいです。山城屋さん(坂田藤十郎)は、襲名披露には(大阪松竹座などで)出ていただいていますが、お互いに襲名してから舞台上でご一緒するのは初めてですし、楽しみです。それに仁左衛門さんや我當さん、秀太郎さんと顔見世ならではの方々にお付き合いいただけるのは本当に感謝しています。みなさまのお蔭です。

これまでの襲名披露で、予想外のことはありましたか?

 予想以上にお客さんが沢山入ってくれたことかな。そして熱気がすごいですね。だからこそ、この人たちに観つづけてもらえるようにやらないといけないと思います。このことをあたり前とは思わず、一生懸命に勤めていかないと。本当にありがたいことだと思います。
古典から踊りから新作から、2年がかりの襲名披露で色々なことをやらせてもらったという気持ちがありますね。しょっぱなの3月(歌舞伎座)の口上では緊張しちゃって…もう“あがった”ような感じで。その感覚は忘れられないですね。緊張感を持続しつつ、今度の南座の最後の口上がどうなるか…逆にありがたい気持ちになるかな。観に来てくださったお客様、(襲名披露の公演に)付き合って下さった(役者の)皆さんに感謝します。

 南座、京の年中行事「當る亥歳吉例顔見世興行」は、11月30日(木)より12月26日(火)までです。

2006年09月22日

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