コクーン歌舞伎 記者会見
中村福助―――
すごく嬉しいです。串田監督、勘三郎兄さん、橋之助、そしてこの頃外部の仕事がちょっと多くなっちゃった歌舞伎俳優の淡路屋さん(笑)が戻ってきてくださって、またご一緒できるという、本当に嬉しくて楽しみにしています。
前回のお嬢吉三では、監督に「今までの概念をぶち壊してやってほしい」と言われ、本当に悩んで…自分の中でも一つの財産のお芝居です。今度もまたいろんな意味で、ぶち壊して、新しいものを作って、みんなでいろんな事を話し合って、お客様と一緒に共感するようなお芝居をしていきたいと思っております。
中村橋之助―――
僕もこの作品から得たものはすごく多いんです。本質のドラマというのを、もう一回見直したり、本を読み直したり、黙阿弥の素晴らしさを感じたり。
最初、この『三人吉三』の稽古はとても苦しくて、自分はどうしたらいいんだろうって随分眠れない日が続きました。でも今考えると、できなくて悔しかった苦しみが、ある種、役者の快感に変わっていく瞬間があって、それがすごく楽しくって。コクーンはいつもそうなんです
この三人の吉三、かれら少年たちの心がドキドキ・ドキドキと動いて、その持って行き場のない人間性・・・実は、楽屋内もまさにそうでして、この作品で初めて三人(勘三郎・福助)で大喧嘩しまして(笑)。次の日ぐらいまで目もあわせなくて。串田監督がお父さんのように、真ん中に入って、「みんな仲良くするんだと!」手をつないで握手をして、ポロポロポロポロ泣いたのが、まさに、三人吉三そのものなんだなって感じました。
以前の再現という事じゃなくて、何か新しいものを取り入れたいし、そういう芝居にしたいと思っています。
笹野高史―――
淡路屋でございます(笑)。
やっと歌舞伎の玄関の戸を少し明けて、中を覗かせていただいたようなところでございます。今回、この機会に。私ももう一回心を入れ直して、初心に戻ってやらせていただきたいと思います。
串田監督とは、もう長いんでございますが、一緒に小さい劇団(自由劇場)をやっていたときには、監督はそんなにたびたび再演ということを口にしませんでした。「上海バンスキング」は儲かるからやりましたが(笑)。
再演にあんまり魅力を感じない方だと思っていたんですが、歌舞伎に関しては“再演したい”“もう一回やりたい”と。そのもう一回やりたいと思わせる物っていったい何だろう…それが歌舞伎の奥深さ、魅力なんだな、俳優さんたちもみんな魅力的でそう思わせるのか…そう思わせなかった俺がいけなかったんだ!と劇団時代を後悔いたしました。
この一座でやってみますと、私すごく感激して泣いてしまうんです。ちょっとした事でも。芝居を一生懸命作って、この快感を見ていただく皆様にも、少し垣間見ていただければ幸せです。
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