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勘太郎『磯異人館』のふるさと探訪

 7月31日、中村勘太郎が、八月納涼大歌舞伎の『磯異人館』上演に向けて、作品の舞台となる鹿児島市の磯地区を訪れました。

 『磯異人館』は、昭和62年に勘太郎の父中村勘三郎(当時勘九郎)が主演した作品で、今回は20年ぶりの上演となります。

勘太郎『磯異人館』

写真:異人館前
(異人館=島津家第28代当主で薩摩藩主の島津斉彬公が着手して以来、推進された「集成館事業」が物語の背景にあります。火薬、ガラス、陶磁器、製鉄などの製造する産業科学工場が集成館、ここで行われる産業の総称が「集成館事業」です。集成館に紡績工場を新設するにあたりイギリスから招かれた技師達の宿舎兼事務所が「異人館」。)

 主人公岡野精之介(中村勘太郎)は、薩摩藩のガラス職人。新しい薩摩切子づくりに情熱を傾ける一方、琉球国の王女琉璃(中村七之助)に想いを寄せています。幕末の薩摩という激動の時代を背景に、若者達の青春群像を描いた作品です。

 「日本の歴史の中でも特に好きな幕末の作品をやってみたいと思っていました。若者のパワーというか、情熱というか、幕末は力がある時代だと想いますので、それを表現できたらいいですね」と勘太郎。

勘太郎

写真左、中央:薩摩ガラス工芸で薩摩切子製作体験
 勘太郎は更に薩摩切子のカッテングにも挑戦しました。「難しいですね。これを昔は全部手作業でやっていたんですね」。

写真右:尚古集成館
(集成館の機械工場の内部は博物館「尚古集成館」となり、集成館事業と島津家の資料を今に伝えています)

勘太郎『磯異人館』

 岡野精之介という人物像が、この旅を通してふくらんだようです。

「暗い過去を引きずりながらも、新しい時代に黙々とガラスを愛して、新しいものを見ている。そして新しいものを学びたいと言う意欲が強い人物。それで人のことをすごく想っている。弟を思っている、琉璃さんを思っている、友達を思っている、思いやりが深いお役だなと思います。」

 初演では精之介の弟、周三郎役を演じた中村橋之助は今回、集成館の総裁・松岡十太夫役で出演。ほかの共演は、市村家橘、市川亀蔵、市川猿弥、尾上松也ら。

「今の時代、どこか冷めてますよね。熱く熱く、熱苦しいといわれてもいいから、それが格好良いって思えるような作品を作ってみたいなと思っています」。

 歌舞伎座八月納涼大歌舞伎公演情報はこちらをご覧ください。

2007年08月08日

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