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市川猿弥が語る『獨道中五十三驛』

 3月、新橋演舞場では弥生花形歌舞伎 『猿之助十八番の内 獨道中五十三驛』が上演されます。作品の見どころを市川猿弥さんにうかがいました。

猿弥 この作品に初めて出演させていただいたのは大詰の踊りで、手代と一緒に出てくる丁稚(でっち)の役でした。再演を重ねるうち私も高校生位になって丁稚から手代へと役もかわり、鬘も前髪が取れて月代(さかやき)※1 になったのですが、とても頭が涼しくて・・・恥ずかしいような大人になったような・・・そんな思い出があります。

 赤堀水右衛門を勤めさせていただくのは、中日劇場以来2度目になります。大敵で衣裳も一目で悪役とわかるのですが、水右衛門を含めた悪役親子3人は、まるで「ヤッターマン」に出てくる悪い奴らみたいに、ちょっと決まらない悪役です。与八郎たちと追いつ追われつ、海の中を泳いで逃げたり・・・どことなくピリッとしない悪役なので、きっと楽しんでご覧頂けると思っています。また、このお芝居には、序幕で与惣兵衛を殺してから、懐紙を取り出して刀を拭く場面や、袋の中から刀を出して、抜いて、またしまうなど、刀を扱う場面が多々出てくるのですが、僕は少し不器用なところがあるので、上手くできるかちょっと不安です(笑)。段取りが鈍くならないようにきちんと練習しますが、その場面になったら、心の中で応援してください(笑)。

 舞台機構から楽屋まで、とてもよく知っている新橋演舞場にもどってくるとホッとする気持ちになれます。子役の頃には、建て替え前の新橋演舞場に出演させていただいたこともありましたし、スーパー歌舞伎や古典でも数多く出演させていただいています。その新橋演舞場で、今回『獨道中五十三驛』を初めて上演させていただける事をとても嬉しく思っています。

 歌舞伎は、役者、衣裳、舞台装置など、様々な魅力を持っています。その中で、ご自身で"これだ"という楽しみを一つ見つけていただければ、さらに楽しさが増し、長く観ていただけるのではないかと思っています。この『獨道中五十三驛』は猿之助色100%、見どころのとても多い作品です。ぜひ、歌舞伎を初めてご覧になるという方にも足を運んでいただき、何か一つ楽しみを見つけていただければと思っております。

※1 月代(さかやき=額から頭頂部の髪を剃り落としたもの。成人男子のしるしとされる。)

公演情報はこちらをご覧ください。

2009年02月22日

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