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歌舞伎美人サロン<三、附帳>

歌舞伎美人サロン<三、附帳>

 3月22日に歌舞伎囃子方・田中流家元の田中傳左衛門さんをゲストに招き開催しました「第2回歌舞伎美人サロン」。和やかなサロンの様子を数回に分けてご紹介しています。
今回は<三、附帳>です。


 休憩時間、皆さんにご覧頂いた附帳について、少しお話をしましょう。

 附帳というのは、演目ごとに演奏の演出を記帳したものです。最近歌舞伎では、数年に1度人気のある演目は必ずといってよいほど再演されるので、つい附帳をつけるという作業が疎かになりがちなのですが、私は演奏した年月、演奏家、立方はどなたか等はもちろん、演奏家として常識的と思われるようなことも全て含めた附帳を、これから何年もかけて記録し整理していこうと思っています。

 というのも、田中傳左衛門という名は私で十三代目になるのですが、十七世紀ごろの初代が残したような附帳が、明治維新やそれ以後の戦災・震災によって、ほとんど焼けて現存していないからです。もちろん戦時中、疎開させて助かった物も数点あるのですが、江戸時代のものはもうほとんど手元には残っておらす、それは歌舞伎囃子にとって、とても残念な事です。

 幸い祖父の十一代目が大変研究熱心な方で、祖父の先代の時代位のものはかろうじてわかるのですが、実際、自分が立鼓をさせていただいた演奏で迷いのあったときなど、過去の演奏がどの様なものだったかを紐解いていく作業はとても苦労のいるものでした。

 ですから、後世の演奏家の方々にはなるべくそういう苦労はさせたくないという思いが強くあります。自分が書きためた記録が、自分が生きている間はもちろん、100年後、200年後の演奏家の方々の参考になってくれればと願っています。

【関連ページ】
歌舞伎美人サロン<二、演奏>
歌舞伎美人サロン<一、鼓>

歌舞伎美人サロン<三、附帳>

2009年06月25日

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