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橋之助、菊之助、勘太郎、国生が意気込みを語りました~渋谷・コクーン歌舞伎第十二弾は『盟三五大切』

橋之助、菊之助、勘太郎、国生が意気込みを語りました~渋谷・コクーン歌舞伎第十二弾は『盟三五大切』

 渋谷・コクーン歌舞伎第十二弾は『盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)』。毎回斬新な企画と演出で話題の舞台を誕生させてきた"コクーン歌舞伎"は今年で17年目、12回目の上演となります。今回上演される『盟三五大切』はコクーン歌舞伎としては1998年以来の再演です。6月の舞台に先立ち、中村橋之助、尾上菊之助、中村勘太郎、中村国生、演出・美術の串田和美が意気込みを語りました。

串田和美
 『盟三五大切』はコクーン歌舞伎が始まり、3本目に上演された作品です。『夏祭浪花鑑』『法界坊』など、再演を重ねた作品も多いのですが、これは1度だけで、早く再演をしたいと願っていました。再演と言っても、同じようにやるわけではありません。芝居は生き物ですから、どんな風にみんなと一緒に新しく生まれ変わるんだろう、そして今回は菊之助さんが入って下さるので、またなにか違うものになるのではないかと、今から楽しみにしています。

 菊之助さんは、歌舞伎に演出家の蜷川幸雄さんを呼ばれて、シェイクスピアを歌舞伎で上演するなど、いろいろな事を考えていらっしゃる方です。歌舞伎というのは様々な要素があり、世界の中でも特殊な演劇の形態だと思います。歌舞伎は古典を保存するだけではなく、今生きている演劇としても様々な可能性を持っている、そう考えている若い方の思いに触れることで、僕もワクワクして、一緒になにかできたらいいな、とまた新しい創作意欲が湧いてきます。

 17年前コクーン歌舞伎で最初に上演したのが鶴屋南北の『四谷怪談』です。南北の作品は、ここはこういう価値観、ここはこういう筋、といったような、近代的な西洋のものの考え方とは全然違っていて、人間は筋にそって生きているのではなく、突然とんでもない事が起き、とんでもないことをしてしまう生き物なんだ、という事を感じさせてくれます。今まで南北の『四谷怪談』や『桜姫』に携わり、また今回南北の作品が上演できるのはとても嬉しい事ですし、南北って何考えていたんだろう、南北の中にどんなものが眠っているんだろう、今の視点から見るとそれが何なのだろうなと考えるのがとても楽しみです。

中村橋之助
 前回の『盟三五大切』から13年も経ちましたが、前回は勘三郎(上演当時は勘九郎)の兄と源五兵衛と三五郎をダブルキャストで上演し、ひとつの芝居ではなく、2作創っているような大変な思いをした事を今でも良く覚えています。僕はこの源五兵衛というお役は大好きで、というのも、1976年、国立小劇場で、仁左衛門のお兄さまと玉三郎のお兄さまと亡くなった辰之助(初代)のお兄さまでこの作品を上演されたのですが、その初代辰之助兄さんに私は大変憧れていて・・・前回のコクーンの時には、その時の辰之助兄さんの衣裳を着させていただきました。今回も辰之助兄さんの源五兵衛を思い浮かべながら勤めたいと思っています。

 菊之助さんとは、2007年の御園座でこの作品をご一緒した事があります。その時は私が三五郎を勤め、菊之助さんが小万、源五兵衛は三津五郎兄さんでしたが、小万の薫るような綺麗さ・・・こんな良い女性と一緒に居られて、三五郎を勤めている私としては、鼻高々でとてもハッピーな1ヶ月でした。今度はその方に騙されることになりますが、騙されがいがあるのではないかなと思っています(笑)。今回息子の国生が八右衛門を勤めさせていただきます。国生自身このコクーン歌舞伎に対する憧れも強く、いつかはこの舞台に立ちたいという思いを強く持っておりました。

 串田監督とは、役者がおもちゃ箱をひっくり返して、いろいろ遊んでみて、最終的にどのゲームにしようか、そうして色々な事を決めながら舞台を創っていきます。役者としてはスリルとサスペンスなんですけれど(笑)、そこにコクーン歌舞伎の醍醐味があるように感じています。よく勘三郎の兄も言いますが、チームが同じ方向に向かって行くという気持ちが一番大切です。コクーン歌舞伎もどんどん若返っていますし、チームワークの良い、このメンバーだからこそできる、新しい『盟三五大切』をみんなでじっくり練って創っていきたいと思っています。

橋之助、菊之助、勘太郎、国生が意気込みを語りました~渋谷・コクーン 歌舞伎第十二弾は『盟三五大切』

尾上菊之助
 コクーン歌舞伎は初演の『四谷怪談』からほぼ毎回欠かさず見させていただいております。コクーン歌舞伎に携わっている皆様のエネルギー、そして、あの劇場全体が大きな熱いエネルギーを持って渦を巻いているような感覚に衝撃を受けました。それ以来、自分がやっている歌舞伎とは何だ、古典を継承し現代のお客様に伝えるということはどういうことなんだろうということをずっと考えていました。今回は観客ではなくその舞台に立てる事が嬉しく、そして身の引き締まる思いでいっぱいです。

 『盟三五大切』は今までに2度程出演させていただいております。4年前の御園座では、戯曲を読み込んでいくと小万が自分のアイデンティティーをあまり持っていない女性ではないかと感じられました。三五郎にフッと言われたときにトロけてしまうよう女性像、そして魅力的な女性でなくてはいけません。今回はコクーン歌舞伎で勤めさせていただくこともあり、現代の女性と小万との整合性を自分の中でどうつけていこうかと模索しています。そして、まっさらな気持ちで小万という役を勤めたいと思っております。

中村勘太郎
 コクーン歌舞伎に出演させていただくのは3年ぶりですが、その間は干されているような気分で凄く寂しかったです(笑)。今回、笹野屋三五郎を勤めさせていただける事、本当に嬉しく思います。コクーン歌舞伎は、心も、脳みそも、体も柔らかくないとだめだと思っているので、いろんなものを吸収して、稽古を重ねて良い作品を創り上げたいと思っています。

 13年前の『盟三五大切』では今回国生さんが勤める八右衛門という役を勤めさせていただきました。初めてのコクーン歌舞伎でしたが、稽古の間は父に怒鳴られっぱなしで、本当に千穐楽の日にトイレに閉じこもって泣いた思い出もあります。僕にとりまして今回の『盟三五大切』、まさにリベンジの気持ちを持って勤めたいと思っています。そしてその時には橋之助兄さんが凄くフォローをして下さったので、今回はご子息の国生さんをちゃんとフォローしたいと思っています(笑)。

中村国生
 六七八右衛門を勤めさせていただきます。今まで欠かさず見てきたコクーン歌舞伎に初めて自分が出演させていただくことができて嬉しく、また学校でも歌舞伎でも先輩の方々と、同じ舞台に出演させていただくこともとても嬉しく思っています。初めてですので、色々な事を教えて頂きながら一所懸命勤めます。今年高校生になり、これからさらに頑張っていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

2011年05月05日

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