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「坂東玉三郎がいざなう鼓童の世界」公演に向けて玉三郎が語る

『坂東玉三郎がいざなう鼓童の世界』公演に向けて玉三郎が語る

 左より、住吉佑太(鼓童)、坂東玉三郎、船橋裕一郎(鼓童代表)

 

 

 6月1日(水)~3日(金)、京都劇場で行われる「鼓童プレミアムコンサート『坂東玉三郎がいざなう鼓童の世界』」に向け、ご案内役を務める玉三郎と太鼓芸能集団鼓童のメンバーが、公演に向けての思いを語りました。

 鼓童創立35周年特別企画として開かれる、京都劇場の「鼓童プレミアムコンサート」は、芸術監督になって5年目を迎える玉三郎が、『アマテラス』以外で初めて鼓童のメンバーとともに舞台に登場します。「ご案内は、解説というほど堅苦しくなく、トークというほどやわらかくなく。気の合った人たちとの楽しいコンサートに」と、玉三郎は笑顔で語りました。

 

 会見に出席した鼓童代表の船橋裕一郎は、「どうやってつくり、覚えるのかと、お客様がびっくりされる曲の数々について、種明かししながらお見せするコンサートになると思います。稽古場での作品づくりは和やかな雰囲気で、時にピリッとする。そんな一端もお見せし、僕たちにとっても大きな挑戦をします」と語り、同じく鼓童の住吉佑太も、「僕は、新しい感覚の持ち主である玉三郎さんが芸術監督になられてからの演奏者。柔軟な姿勢と考え方でしか表現できないものを見ていただければ」と、意気込みのほどを見せました。

 

『坂東玉三郎がいざなう鼓童の世界』公演に向けて玉三郎が語る

曲づくりの秘密も明かします

 「鼓童には4拍子など偶数拍子の曲が多かったので、5拍子、7拍子、9拍子と奇数拍子ものをつくってきました。これだけいろいろな拍子が入っていることと、どうつないでいるのか、なぜ変拍子にしたのか、といった話をしながら」、実際に演奏を聴かせる構成を考えていると、案内役の玉三郎。「わかって聴くと楽しいし、堪能できる」と、案内役という新たな役割に面白みを感じているようです。

 

 「それまでは5、6分で完結する曲がほとんどだったのですが、大きな小説を書けないと一行の中に意味を込められませんから、わざと15分以上の長い曲をつくりました。(太鼓は)“ドン”しかないので、どうやってもたせるか…。すると、同じ繰り返しのなかにもニュアンスが出てくるし、曲に入ると15分は出てこられない、そんなところをくぐり抜けないと、近代的な作品における深みは追及できない、という単純な発想です」

 

『坂東玉三郎がいざなう鼓童の世界』公演に向けて玉三郎が語る

 さらに、『大太鼓』や、『三宅』『屋台囃子』といった地方から生まれた太鼓の曲、かつぎものという歩きながら演奏できる太鼓の曲も、「長くして楽曲として耐えられるようにすることで、楽器との対峙の仕方が深くなり、いろいろな意味も出てくる」と語った玉三郎。コンサートでは、それらの特徴をもつ曲と、鼓童のヒット曲が演奏される予定です。

 


芸術監督、玉三郎が鼓童にもたらしたもの

 住吉は玉三郎と新しい曲『混沌』をつくるとき、「太鼓打ちなのにドラムをたたくことに疑問をもっていたのですが、何時間もドラムと向かい合ううち、たたく感覚は太鼓と同じ、人間の本能や遺伝子といった深いところではつながっていることに気づきました。太鼓打ち、日本人といった中途半端なアイデンティティーは必要ないと思いました」。そのとき、普段、玉三郎から言われていたことが理解できたと明かします。

 

『坂東玉三郎がいざなう鼓童の世界』公演に向けて玉三郎が語る

 稽古場の雰囲気については、「私が尋ねれば答えなければならない、でも実は、私のほうが、こうしろああしろと言われているんです」と玉三郎が冗談めかして言うと、船橋が、芸術監督本人を前にして「本当に気が抜けないし、本番のほうが楽…」と苦笑いしながら、「一音忘れても玉三郎さんは気付かれる。基本的に、つくったものからはみ出さない、基準となることを大事にされています」と、やわらかな雰囲気のなかにも緊張感の保たれた稽古の様子を想像させました。ちなみに、鼓童では「演奏者が楽しんでお客様を置いていくことのないように」、即興演奏は禁止だそうです。

 

 玉三郎は、鼓童をこうしたい、と考えているのではないと言います。「幅のあるなかで新しいものを見つけていけばいい。歌舞伎もいろんなものをとり入れ、基本がありながらもバリエーションがあって長く続いていく。しかし、その時代に生きながらも自分の芯がなければ、長くは続きません」。鼓童のメンバーが朝から晩まで稽古する姿にひかれて佐渡に通い、「一日中、何かに向かっている人たちと会う」ことが気持ちよかったと語る玉三郎。わくわく感たっぷりのコンサートは6月開幕です。 

 「鼓童35周年特別企画 鼓童プレミアムコンサート『坂東玉三郎がいざなう鼓童の世界』」は、6月1日(水)から3日(金)まで、京都劇場で開催。チケットは4月7日(木)より、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹にて販売予定です。

2016年04月02日

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