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米吉が『獅子王』の魅力を語った「歌舞伎夜話」

米吉が『獅子王』の魅力を語った「歌舞伎夜話」

 5月23日(月)、「ギャラリーレクチャー 歌舞伎夜話(かぶきやわ)」に、中村米吉が登場しました。

 アメリカから帰国して2週間、歌舞伎夜話のスタートはやはりラスベガス公演のことから。わかりやすく丁寧で、しかも臨場感たっぷりの話しぶりは、とても文字で伝えることはできません。

 

 ラスベガスでの公演は、外からの目であらためて自分を見つめる機会になりました。花魁道中では、暗い舞台を一瞬に明るくする「チョンパ」の演出やつづら抜けに沸いた客席。「つづらの中から人が出てくる、歌舞伎の先人たちはやはりすごいです」。

 

 「とにかく展開が速い。楽屋ではみんな走り回っているし、舞台も駆けずり回っているし、気が付いたら初日が終わっていた…」。想像もつかない出来事の連続も、米吉がテンポよく語ると、楽しい土産話になってしまうから不思議です。

 

 「最後の『石橋』は、大立廻りのあとに続くんですが、すごいスピードで拵えを替えたあとに毛を振るんです。体力、気力の限りを尽くした毛振りを見たとき、熱い思いがこみ上げました」。さまざまな労苦を乗り越えた先に感じたのが「歌舞伎の底力」だったそうです。

 

米吉が『獅子王』の魅力を語った「歌舞伎夜話」

 女方へ道を定めたことについては、「吉右衛門のおじ様に女方の勉強をさせていただきたいです、と申し上げました。ものすごく大変だけどやってみなさい、とおっしゃっていただきました」。心の中にあった女方に対する憧れ、やってみたいという思い、興味が、こうして1本の道筋となり、その先も見据えるようになってきました。

 

 会場から、座右の銘はとの質問を受けた米吉の答えは、書家から聞いて大切にしているという「自在心」。「心をやわらかく持ちなさい、凝り固まったらいけません、という意味だそうです。役者の心得と通じるかもしれませんね、と言われました」。

 

 4月の『幻想神空海』の玉蓮では、化粧の試行錯誤を繰り返したと言います。「化粧は歌舞伎俳優にとって大事な武器であり、大切なのだ、と教えていただきました」。教えを一つひとつ心に留め、勉強に励む姿も垣間見えました。五代目中村米吉としての誇りをもち、謙虚に、そして貪欲に歌六家の一人として芸道に精進しようとする姿勢が感じられました。

 

米吉が『獅子王』の魅力を語った「歌舞伎夜話」

2016年05月25日

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