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仁左衛門、時蔵が語る「錦秋名古屋 顔見世」

仁左衛門、時蔵が語る「錦秋名古屋 顔見世」

 

 

 10月2日(日)に初日を迎える日本特殊陶業市民会館「錦秋名古屋 顔見世」に出演する片岡仁左衛門、中村時蔵が、公演に向けての思いを語りました。

初演からの深い縁のある二人で

 昼の部『ぢいさんばあさん』の仁左衛門と時蔵の伊織とるんは、昨年7月の大阪松竹座以来。伊織としては時蔵が三人目のるんとなる仁左衛門が、「皆さんそれぞれにご自分の味があり、お芝居運びの間も違いますから、(相手役が変わると)こちらも楽しく、新鮮な気持ちで取り組めます」と語ると、るんで初めて老け役を勤めた時蔵は、「昨年は初めての婆さん役がとても不安で、しわを少し描き過ぎました。今回は少なくして老けて見えるようにしたい」と続けました。

 

仁左衛門、時蔵が語る「錦秋名古屋 顔見世」

 昭和26(1951)年7月、大阪歌舞伎座と東京の歌舞伎座で同時に『ぢいさんばあさん』が初演されました。「東京では(初世)猿翁のおじさんと時播磨のおじさん(三世時蔵)、大阪では父(十三世仁左衛門)と(二世)鴈治郎のおじさん。どちらも好評をいただきました」と、仁左衛門。今回は東西の息子と孫での上演となります。「私にとりましても思いが詰まった、いつかやってみたいと思っていた役でした」と、時蔵もゆかりの深いコンビでの上演でとてもうれしいと語りました。

 

若い世代との共演で見せる松王丸

 夜の部の幕開きは『寺子屋』。仁左衛門の松王丸は名古屋では初お目見得となります。「忠義や親子の情を重視して、(忠義のために我が子を犠牲にするという)今では考えられないようなことをお客様に納得していただけるように演じたい。前半では松王の気持ちをまったく出さないやり方もありますが、私は表面に出さないようにしながらも、ぽろっと出てしまう、そういうやり方で、父から教わったとおりにしています」。いつに変わらぬ熱意で、名古屋の皆さんに松王丸をお見せすることを誓いました。

 

 源蔵夫婦は染五郎と梅枝、千代は孝太郎。「この世代と『寺子屋』をやるのは初めてです。先代の雀右衛門のおじさんや山城屋の兄さん(藤十郎)が千代に出てくださって、私たちを引っ張り上げていただいたように、今度は私たちが若い人たちを引き上げていく。順繰りなのが歌舞伎の強みになっていると思います」。仁左衛門は自分の経験も踏まえてそう述べました。

 

仁左衛門、時蔵が語る「錦秋名古屋 顔見世」

 時蔵も、「大先輩と出ると、どんな小さな役でも、そしてお稽古のときから一緒にできますから、とても勉強になります。せりふ回し、言い方、息継ぎの仕方…。そうやって先輩から歌舞伎の“イキ”みたいなものを受け継ぎ、だんだん自分のものにしていくのだと思います」と話し、二人とも「彼らにとってとてもいいこと、プラスになる」と、この公演のもう一つの意義を挙げました。

 

女方の獅子の狂いを華やかに見せる

 濃密なドラマのあとは、時蔵が『英執着獅子』を華やかに踊ります。「石橋物としては、九世團十郎が『春興鏡獅子』をつくるときにヒントを得たという『枕獅子』と同じ頃にできたもので、傾城でも姫でも踊られるものですが、次の『品川心中』に遊女が出てくるので、今回は姫で踊ります。後ジテにはむき身の隈をとった力者が何人か絡んで立廻りをお見せしようと思っています」。扇獅子での毛振りを見せる石橋の場面で、女方の獅子物としての魅力を前面に出した一幕となりそうです。

 

 もう一本の能を題材とした出し物、『橋弁慶』で幕を開け、『壺坂霊験記』は孝太郎のお里と染五郎の沢市で見せるのは名古屋初、最後は昭和37(1962)年以来の上演となる『品川心中』で打ち出しとなる今年の名古屋の顔見世。平成30(2018)年に予定されている御園座柿葺落まで、「名古屋で歌舞伎の灯が消えることのないよう、皆で一所懸命頑張ります」と、仁左衛門は時蔵とともに公演への意気込みを見せました。

 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(中ホール)「錦秋名古屋 顔見世」は、10月2日(日)から26日(水)までの公演。チケットは8月25日(木)より、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイト御園座チケットセンターほかで発売です。

 

仁左衛門、時蔵が語る「錦秋名古屋 顔見世」

2016年07月29日

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