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新橋演舞場「九月新派特別公演」で二代目喜多村緑郎襲名披露

新橋演舞場「九月新派特別公演」で二代目喜多村緑郎襲名披露

 左より、安孫子正松竹株式会社副社長、春本由香、市川春猿、波乃久里子、水谷八重子、二代目喜多村緑郎、市川猿弥、尾上松也、瀬戸摩純、岡副真吾東京新橋組合頭取、千田学新橋演舞場支配人

 

 

 9月1日(木)、新橋演舞場 市川月乃助改め二代目喜多村緑郎襲名披露「九月新派特別公演」が初日を迎え、開場前のご挨拶に、市川猿弥、市川春猿、尾上松也が登場しました。

 雲ひとつない青空にまだまだ暑さが残る中、新橋演舞場の玄関前には、朝から大勢のファンが詰めかけていました。はじめに、公演の出演者たちが、東京新橋組合の華やかな芸者衆と幕開きの『振袖纒(ふりそでまとい)』に登場する鳶の面々とともに、劇場前にずらりと並んでご挨拶。

 

 水谷八重子は新橋の芸者衆にも負けない艶やかな芸者の衣裳で、「新派も芸者なんだぞと、仲間入りをさせていただきました」と、笑顔でご来場を呼びかけ、波乃久里子は何重にもなったお集まりの皆さんの人垣を見て、「二代目喜多村緑郎さんの本当にいい門出になります」と喜び、襲名を祝いました。

 

 猿弥は、「襲名のおめでたい席にご一緒できることがうれしい。少しでも舞台に華を添えられるよう頑張ってまいります」と、鳶頭の貫録たっぷりの挨拶をし、春猿も「二代目緑郎さんと私は30年間、苦楽をともにしてきた仲。私もなにかお力添えをと思っておりました」と、ともに澤瀉屋一門で修業を積んできた仲間として温かい言葉を贈りました。

 

 松也は「念願の新派公演に初めて参加させていただきます。劇団新派は祖父(新派俳優、春本泰男)、母(同、河合盛恵)、父(六世尾上松助)もお世話になりまして、ご縁、ゆかりを感じておりました」と、襲名披露公演への出演に特別の喜びを表しました。また、この公演で松也の妹、春本由香が初舞台とあって、「兄妹一緒に演舞場で新派に出演、大変うれしく思っております」と話しました。

 

新橋演舞場「九月新派特別公演」で二代目喜多村緑郎襲名披露

 そして、先日の浅草寺でのお練りと同じく、高張提灯に先導されて二代目喜多村緑郎が登場。「いよいよ本日から、喜多村緑郎先生のお名前を襲名させていただきます。この特別な日に、人力(車)に乗せていただき、新橋花柳界の方々に華を添えていただきまして、大勢にいらっしゃっていただき、こんなにうれしいスタートを切ることができました。一生、思い出に残る一日となります。精いっぱい勤めさせていただきますので、どうか、二代目喜多村緑郎を末永くよろしくお願い申し上げます」の挨拶に、「緑屋!」のかけ声と大声援が送られました。

 

 続く鏡開きは、喜多村の出身地、新潟の八海山の酒樽が用意され、めでたく開いた後は振る舞い酒も行われました。賑やかなひとときの余韻も消えぬうち、初日開場となり、お客様が続々とご入場されて「九月新派特別公演」が開幕。公演は11日(日)までで、17日(土)からは大阪松竹座で幕が開きます。

 

新橋演舞場「九月新派特別公演」で二代目喜多村緑郎襲名披露

 

※澤瀉屋の「瀉」のつくりは、正しくは"わかんむり"です。

2016/09/01