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春猿が河合雪之丞を名のり劇団新派入団へ

春猿が河合雪之丞を名のり劇団新派入団へ

 左より、波乃久里子、市川春猿改め河合雪之丞、水谷八重子

 10月27日(木)、市川春猿が来年1月三越劇場「初春新派公演」で、春猿改め河合雪之丞として劇団新派に入団することが発表になりました。

 来年1月2日(月・休)から三越劇場で上演される『華岡青洲の妻』に出演する春猿は、この公演より劇団新派の団員となります。

 

猿翁の思いとともに贈られた名前

 「猿翁のもと、歌舞伎を29年間勉強させていただきました。何もわからない15歳で歌舞伎俳優研修に入り、周りの方たちに励まされ支えられて、今日、ここに立たせていただいております。皆様に対する感謝の気持ち、自分に対する厳しい気持ちを新たにして頑張りたいと思います」と、決意のほどを述べた春猿。

 

 師匠の猿翁からは、「かつて私が名乗ろうと一度は心に決めた大切な名前」である“雪之丞”の名を、「これからも私の弟子として、常に全力で取り組んでほしいという思いを込めて」、贈られた春猿。今年の1月に新派の道を歩みたいと伝えたとき、「大賛成としっかり言ってくださった。すごくうれしかった」と笑顔を見せ、雪にちなんだ“白”と猿翁がうさぎ年ということで、「白兎屋(しらとや)」の屋号もいただいたと話しました。河合は、新派黄金時代の名優、河合武雄から受け継ぎます。

 

春猿が河合雪之丞を名のり劇団新派入団へ

立役にも期待

 会見に同席した水谷八重子は、「女優ではちょっとやりにくいような役を、春猿さんで観たい、そういう芝居をつくりたいという欲が出てきています。いろいろな夢を見せていただけるのではないでしょうか。また、女方の立役は色気があって不思議な、セクシーな魅力があります。立役もいっぱいやっていただきたい」と、新派の女方、雪之丞誕生に大きな期待を寄せました。

 

 春猿が平成14(2002)年8月に自主公演「市川春猿の会」で演じた『明治一代女』のお梅を見たとき、「この方は歌舞伎より新派のほうが合うんじゃないか、でも、新派に入られたらライバルになってしまうと思うほど、素敵な一代女でした」と振り返った波乃久里子は、「新派の柱になってほしい」と入団を歓迎しました。

 

新派の魅力にのめり込む自分がいた

 このときの『明治一代女』は、「どうしてもやりたいと師匠に相談したところ、ぜひやりなさい、あなたは新派に向いていると。稽古場では細かく演技指導もしていただきました。そのとき、新派作品をこれからもやり続けられたら、自分の役者人生幸せだなと強く感じました」という、春猿にとっての一つの転機でもありました。平成22(2010)年10月『滝の白糸』以降は、新派作品への出演も増え、「新派の魅力にのめり込んでしまった自分がいました」と明かしました。

 

 「新派の作品は洗練された、そぎ落としたお芝居。歌舞伎をやって来たなかで感じたことを突き詰めて勉強できるのは新派かなと。新派には歌舞伎で勉強してきたことを活かせる作品がいっぱいあります。新派の女方芸を勉強し、後世の方たちに伝えなければいけない。新しい作品もやり、古典のいい作品が一人でも多くの方の目に触れるようにすることを目標に頑張りたい」

 

 今年から劇団新派に入団し、9月に二代目を襲名した喜多村緑郎とは、歌舞伎俳優研修の同期生。歌舞伎の舞台では共演も数知れず、「気心が知れ過ぎている仲」の二人が、今度は新派の舞台で、新派の俳優として共演するのも楽しみです。

2016年10月28日

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