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「團菊祭五月大歌舞伎」で初代坂東楽善、九代目坂東彦三郎、三代目坂東亀蔵襲名披露

「團菊祭五月大歌舞伎」で初代坂東楽善、九代目坂東彦三郎、三代目坂東亀蔵襲名披露

 

 

 5月3日(水・祝)から始まる歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」は、「七世尾上梅幸二十三回忌 十七世市村羽左衛門十七回忌 追善」興行となります。この公演で襲名披露を行う坂東彦三郎、坂東亀三郎、坂東亀寿、初舞台を勤める亀三郎の長男、坂東侑汰(ゆうた)と、菊五郎劇団を率い、七世梅幸を父に持つ尾上菊五郎、十七世羽左衛門を父に持ち、市村家を継いでいる市村萬次郎が、公演に向けて語りました。

「團菊祭五月大歌舞伎」で初代坂東楽善、九代目坂東彦三郎、三代目坂東亀蔵襲名披露

 七世梅幸が亡くなったのが平成7(1995)年3月。「23年も経つと、ご存じのお客様もかなり減ってきてしまいますが、追善興行にしていただくことになりました。まずは襲名披露の三人と、初舞台の一人、華々しく團菊祭の幕が開きますように」と願った菊五郎。十七世羽左衛門の二男、萬次郎は、「父は彦三郎の名前を大事に思っておりました。十七回忌に兄の彦三郎一家がそろって襲名、初舞台ができるのは一番の追善、父も喜んでいると思います」と笑顔を見せました。

 

「團菊祭五月大歌舞伎」で初代坂東楽善、九代目坂東彦三郎、三代目坂東亀蔵襲名披露

十七世羽左衛門へなによりの追善

 彦三郎は初代坂東楽善(らくぜん)を襲名。亀三郎は父の名前を継いで九代目坂東彦三郎、亀寿は父の前名の坂東亀蔵を三代目として襲名します。また、亀三郎の長男、侑汰も父、祖父が名のった名跡、六代目亀三郎を名のって初舞台を勤めます。

 

「團菊祭五月大歌舞伎」で初代坂東楽善、九代目坂東彦三郎、三代目坂東亀蔵襲名披露

 「楽善、楽しそうな名前なので、私も楽しく舞台を勤めたい」という彦三郎は、祖先の俳名であり、初代として名のる楽善を、「すごくいい名前で、なりたいなと思っていました」と紹介しました。初舞台で名のった亀三郎を孫が、病から復帰した折に名のった亀蔵は二男、そして現在の彦三郎は長男が名のることになります。子役時代から同じ菊五郎劇団で70年余ともに歩んできた菊五郎からは、「これからは老け役をどんどんやってもらいたい」と望まれ、本人も「ぜひいろいろやりたい」と意欲を見せました。

 

「團菊祭五月大歌舞伎」で初代坂東楽善、九代目坂東彦三郎、三代目坂東亀蔵襲名披露

 亀三郎と亀寿はそれぞれ父の名を襲名することに感謝し、「感謝の気持ちをパワーに変え、少しでもいい舞台を勤めることが皆様への御恩報じになる」(亀寿)と語りました。彦三郎の名について、「江戸から続く名前。継ぐからには心がけをきちんとしないといけない、と言われ、ちゃんとした俳優として成長するつもりでおりました」(彦三郎)との話を幼い頃から聞いていた亀三郎は、襲名にあたり、「いろんな感情が来ました。うれしさ、驚き…。さらに挑戦しないといけない」と、父から教わったことをもっともっと表現していくと誓いました。

 

「團菊祭五月大歌舞伎」で初代坂東楽善、九代目坂東彦三郎、三代目坂東亀蔵襲名披露

親子三代の思いが詰まった襲名披露狂言

 襲名披露狂言は『梶原平三誉石切』と『壽曽我対面』。『石切』では、昭和40(1965)年6月東横ホールで初めて梶原を勤め、「20歳そこそこで何が何だかわからなかったが、やっているうちにだんだんわかってきた思い出がございます」という彦三郎が大庭三郎。梶原は亀三郎です。「祖父の追善興行でもあるので、どちらの演目も、父が祖父から教わって大事にしているものです。祖父、父の思い、そして私のやりたい気持ちが一つになっています」。亀寿の俣野五郎も初役、「しっかり稽古して勤めます」。

 

 『対面』では、彦三郎が「たくさんの役をやって全部わかっているので、いろいろ言ってやっていきたい」と、小林朝比奈を勤めます。亀三郎が曽我五郎、亀寿が近江小藤太。工藤は菊五郎です。初舞台の侑汰は鬼王家臣亀丸として、大叔父の権十郎に手を引かれて花道を登場する予定です。亀丸は、父の亀三郎の初舞台『淀君情史』(昭和52年5月歌舞伎座)と役名と同じです。「劇中口上で亀三郎を名のらせていただいたとき、舞台にいらしたのが、梅幸のおじさんと祖父、羽左衛門でした」。縁がつながる役名です。

 

 亀寿は松緑と『弥生の花浅草祭』も披露します。「3年前、松緑さんと『三社祭』を踊り終わったとき、いつかは(四変化を見せる)『浅草祭』をやりたいと話していたので」、襲名でその機会が得られたことを喜んでいました。襲名しても「やることは変わらないと思います。(襲名の成果は)お客様に見て、感じていただければいいと思います」と、真摯な姿勢を見せました。

 

「團菊祭五月大歌舞伎」で初代坂東楽善、九代目坂東彦三郎、三代目坂東亀蔵襲名披露

父と同じ役名で初舞台を

 歌舞伎が大好きで初舞台が待ち遠しい侑汰は、「坂東亀三郎になります。どうぞよろしくお願いいたします」と、来月やっと4歳になるとは思えない立派な挨拶をして取材陣を驚かせました。「本人がやる気満々。早く亀三郎になりたいと言っています」とは父の談。家でもよく芝居のまねごとをしているそうです。初舞台でやりたいことを聞かれると、「花道を走りたい」ときっぱり。鬼王新左衛門とともに駆け込んでくる姿が目に浮かびます。

 

 九代目團十郎と五代目菊五郎を顕彰する「團菊祭」で襲名披露が行われ、新たな彦三郎、亀蔵の世代が、いっそう重要な役割を担うようになっていきます。「父の世代のように、せがれの私たちの世代も、がっちり組んで芝居をしていきたい」と、最後に亀寿が頼もしい抱負を述べ、会見は終了しました。

 

「團菊祭五月大歌舞伎」で初代坂東楽善、九代目坂東彦三郎、三代目坂東亀蔵襲名披露

2017年01月24日

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