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「二月花形歌舞伎」出演者が法善寺で成功祈願

「二月花形歌舞伎」出演者が法善寺で成功祈願

 

 

 2月1日(水)の初日を前に、大阪松竹座「二月花形歌舞伎」出演の尾上松也、中村梅枝、中村歌昇、中村壱太郎、坂東新悟、尾上右近、中村種之助が、劇場に近い法善寺で成功祈願を行いました。

 「二月花形歌舞伎」の稽古が続くなか、出演の七人が水掛不動尊で知られる法善寺に出向き、公演の成功を祈念して参拝しました。

 

 「1月の大歌舞伎があって、2月に若い私たちが中心になってひと月興行させていただける。本当にありがたいことで、多くのお客様に来ていただきたいとの願いを込めて、お参りさせていただきました」と語った松也の言葉は、七人に共通する思いでもあります。「いずれはやりたいと思っていた大役、雪姫を本当にさせていただくんだという実感が少しずつわいてきました」と梅枝が話すと、歌昇も「皆がそれぞれ大役に挑ませていただくので、切磋琢磨して皆で高めていければと思っております」と続けました。

 

 若手で公演ができることがうれしいと喜ぶ壱太郎も、「こうして皆がそろうと、気持ちも新たに固まったような気がします」と言い、1月に続いて大阪松竹座出演となる新悟は、「先月とはまた違った緊張感があります」と気を引き締めていました。「お不動様に一所懸命勤めさせていただくのでお見守りくださいとお参りしたので、皆と足並みをそろえて頑張ります」と誓ったのは右近。種之助は、「大きなお役に不安、恐れに近い感情もありましたが、今は初日に向け、わくわくしております」と笑顔を見せました。

 

「二月花形歌舞伎」出演者が法善寺で成功祈願

 稽古を重ねて初日目前となり、初役挑戦に向けても一段と気持ちが入ります。

 

 松也は『義経千本桜』の「大物浦」で、「最後、知盛が入水するところなど、歌舞伎をご存じの方ならどなたもわかる名場面。自分が憧れていたところでもあるので、ご堪能いただけるように勤めたい」。梅枝は『金閣寺』の雪姫について、「三姫と言われる代表的なお姫様の一人、女方だったら誰もが憧れる役ですので、まずは教わったことを忠実に、そのなかで次につながるような発見があればと思っております」。

 

 同じく『金閣寺』で東吉を勤める歌昇は、「秀吉をモチーフにしたお役ですが、(歴史上の)秀吉ではなく、二枚目のすっきりした役であるところをご覧いただければ」と語り、「渡海屋・大物浦」の典侍の局を勤める壱太郎は、「源平の時代、平家滅亡の世界を描き出せたら」、同じく義経を演じる新悟は、「知盛が勝てなかった、と納得してもらえる義経に。ライバルとして並び立てるような存在感を出していければ」と、それぞれ心に期するところを述べました。

 

 「渡海屋・大物浦」で、「同年代の種之助さんと二人で芝居をさせていただくところがあるのがうれしい」という右近は『連獅子』で「初めて仔獅子を勤めたのが大阪松竹座で2月でした。そのときの自分から今の自分を見つめながら、今できることを精いっぱいぶつけたい」と意気込み、種之助は、「『三人形』の奴は奴らしく明るく楽しく、『金閣寺』の正清は手強さを出していきたいです。憧れの大きなお役ばかり、先輩方に近づけるように」と、意欲を見せました。

 公演に向け、全員が真摯な姿勢で一所懸命舞台を勤めると、あらためて決意を見せた法善寺での参拝。若手が一丸となって、寒さを吹き飛ばす勢いを見せる公演です。

 

 大阪松竹座新築開場二十周年記念「二月花形歌舞伎」は、2月1日(水)から25日(土)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹で販売中です。

2017/01/30