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仁左衛門が語る『盟三五大切』

仁左衛門が語る『盟三五大切』

 

 

 7月3日(月)から始まる、大阪松竹座新築開場二十周年記念「七月大歌舞伎 関西・歌舞伎を愛する会 第二十六回」に出演の片岡仁左衛門が、公演への思いと『盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)』について語りました。

 「歌舞伎を初めてご覧になる方に楽しんでいただけるものを」と心がけている、大阪松竹座7月恒例の「関西・歌舞伎を愛する会」の公演。「『夏祭浪花鑑』は上方の男伊達を描いた、非常にわかりやすいお芝居、『二人道成寺』は、きれいだな、曲が素敵だなとご覧いただける。夜の部の『舌出三番叟』は見ているだけで楽しくなる舞踊。『盟三五大切』は現代の芝居運びに通じるところもあって喜んでいただけると、私は自信を持っています」と、仁左衛門は笑顔で語り始めました。

 

仁左衛門が語る『盟三五大切』

6年ぶりに大阪で源五兵衛を 

 仁左衛門は自身が演じるよりも前に、新劇で『盟三五大切』を上演していたのを見て、「新しいお芝居をなさっている方々がこれを上演されている。歌舞伎の作品もこんなに面白いのかと思っていただける」と、当時のことを強く覚えていると言います。その後、初世辰之助(三世松緑)の源五兵衛で136年ぶりに歌舞伎で復活上演され、仁左衛門も三五郎として出演しました。源五兵衛は平成20(2008)年11月歌舞伎座で初演、6年前に大阪で演じて以来、今回で3度目となります。

 

 「源五兵衛は本質的に悪人ではありません。序幕では色男で、せりふからも明るい人だと受けとれる。それが、女性にだまされてあそこまで冷酷無比になれるのかと。人間の両面が演じられて、初めに人がよければいいほど、あとで大きく変わるというのが楽しいですね」と、演者としての喜びを表した仁左衛門。

 

ドラマがよくできている

 源五兵衛から三五郎が奪った金は、最終的には三五郎の父の手を通じ、その主筋である源五兵衛の帰参の金として用立てられます。「主人のために働くのが、主人をだますことになる皮肉さも面白い」。金と女を奪われた源五兵衛は、三五郎を探し求めて殺しを重ねますが、「たとえ殺されても三五郎の居場所を言わない小万。これは女性の一途さ」。三五郎も「勘当を許してほしさに」、父のためにと金の工面をするのであって、「結果として悪者になりますけれど、本質的な悪人は出てきません」。とにかくドラマがよくできていると作品の魅力を語りました。

 

 もう一つの魅力は、殺しの美。「現代風の芝居や映画と違い、歌舞伎になると残虐な殺しも美学になる。それが歌舞伎の魅力」と語り、大詰で「源五兵衛が、好きゆえに首まで落として大事に懐へ入れて持って帰り、その首にご飯を食べさせる。これも女性に対する男の一途さ」にできるのが、歌舞伎だと続けました。

 

悪の美学、歌舞伎の魅力

 仁左衛門が南北のなかでも「好きな作品」という『盟三五大切』。しかし、南北だから喜んでもらえると安心してしまうのではなく、常に「今のお客様に納得していただけるように変えていく」のが仁左衛門です。原作では真相を知って腹を切る三五郎に源五兵衛が、「当然だ、というようなことを言う。でも、自分のために働いて腹を切った人に当然だとは、私は言えない。お客様もそりゃないだろうと思われるでしょう。早まったことをしたな、でないと救われない」と考え、一部、変えています。

 

 今回も新たに考えていることはあるそうですが、「今はまだ言えません」とのこと。ぜひ、7月の大阪松竹座の舞台でご覧ください。

 大阪松竹座「七月大歌舞伎」は、7月3日(月)から27日(木)までの公演。チケットは6月5日(月)より、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹で発売予定です。

2017年05月29日

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