菊之助 歌舞伎座『NINAGAWA十二夜』への思い

菊之助 歌舞伎座『NINAGAWA十二夜』への思い

 シェークスピア喜劇を歌舞伎化し大好評を博した『NINAGAWA十二夜』が、2年ぶりに歌舞伎座で上演されます。7月6日、初日を前に、演出の蜷川幸雄、尾上菊之助が揃って意気込みを語りました。

 

蜷川幸雄―――
 初演より15分ほど短くなっていて、余計なところを取って、すっきりしました。個々の俳優さんたちが演技を深めてくれて、さらに面白くなっていると思います。

尾上菊之助―――

 2年前は、皆様にご納得いただけるという気持ちを持ちながらも、この『NINAGAWA十二夜』という作品が、現代の皆様にどのように見ていただけるのか、実は不安で一杯だったんです。
 でも、2年経った今は、“ぜったい現代の皆様にも受け取っていただける”という自信で溢れています。
 そして今回も、この歴史有る歌舞伎座という空間が、こうも新しい劇空間に変わるのかという感動を与え、本当に美しい舞台に仕上げて下さった蜷川先生に感謝しております。

 初演の千穐楽で、幕が閉まってから拍手が鳴り止まなくて、カーテンコールに出た事がありました。蜷川先生が花道から出てこられて、客席がパッと明るくなったときに、お客様が立ちあがっていて…その時の感動を忘れずに、この2年間修行して参りました。

 7月7日から、この歌舞伎座という劇空間で、シェークスピアと歌舞伎、蜷川先生と歌舞伎役者という化学反応が起きます。ぜひ、劇場に足を運んでください。

 舞台全面の鏡を駆使した装置、歌舞伎音楽とチェンバロの共演、さらに、大海原に船が難破するスペクタクル等に歌舞伎の手法がふんだんに採り入れられ、蜷川演出ならではの美の世界が歌舞伎座の大舞台いっぱいに繰り広げられます。
 尾上菊五郎、尾上菊之助ら豪華な顔ぶれが出演する話題の『NINAGAWA十二夜』、ぜひお楽しみください。

 公演情報はこちらをご覧ください。

2007/07/07