10月、三越劇場では十月花形新派公演『滝の白糸』が上演されます。『滝の白糸』は、『天守物語』や『婦系図』などの名作を生み出した泉鏡花の「義血侠血」を基にした美しい悲恋の物語で、明治28年に藤澤浅二郎の白糸、川上音二郎の欣弥で初演されました。その後、昭和8年に花柳章太郎の白糸で初の水芸シーンが上演され、その華やかさが大変な評判を呼び、以来新派のレパートリーの中でも人気の高い作品となっています。

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　白糸役を初役で勤めるのは市川春猿。その他、市川猿弥、市川笑三郎、市川弘太郎ら、歌舞伎俳優も多数出演する楽しみな舞台です。写真は公演を前に新派の女優達と水芸の稽古に励む市川春猿。華麗な水芸は俳優同士の呼吸が合わないと生まれないため、稽古にも熱が入ります。初演以来150年に亘って演じ続けられた新派の珠玉演目が、三越劇場公演に初登場。当時の水芸一座の芸を華麗に披露する市川春猿の舞台が今から楽しみです。