愛之助、吉弥、壱太郎がシスティーナ歌舞伎への思いを語りました

愛之助、吉弥、壱太郎がシスティーナ歌舞伎への意気込みを語りました

 11月12日(土)~14日(月)、ヴァティカンのシスティーナ礼拝堂を原寸大に立体再現した徳島県鳴門市大塚国際美術館内「システィーナ・ホール」で新作歌舞伎『GOEMON 石川五右衛門』が上演されます。

 『GOEMON 石川五右衛門』は、荘厳な雰囲気をもつ「システィーナ・ホール」に合わせた、水口一夫脚本・演出、藤間勘十郎振付による新作舞踊劇。石川五右衛門には片岡愛之助、石田局(いしだのつぼね)には上村吉弥、出雲阿国(いずものおくに)には中村壱太郎、子供時代の五右衛門 友市には上村吉太朗、そして五右衛門と対立する豊臣秀吉には石田太郎がそれぞれ扮し、徳島県出身のフラメンコ舞踊家 小島章司(2009 年文化功労者)も特別出演します。

 美術鑑賞と歌舞伎観劇をともに楽しめる大塚国際美術館ならではの「システィーナ歌舞伎」。公演に先立ち、片岡愛之助、上村吉弥、中村壱太郎、脚本・演出の水口一夫が意気込みを語りました。

水口一夫(脚本・演出)
 1、2回に引き続き第3回「システィーナ歌舞伎」の脚本・演出を担当させていただきます。歌舞伎の中でも石川五右衛門という存在は非常に空想的で、伝奇的です。今回の石川五右衛門は、石田局を母に、イスパニア(現在のスペイン)の神父を父にもつという設定です。秀吉が石田局を見初め側妻にと思うのですが、それを石田局が拒否、秀吉の前でお能を舞いながら自害をして果てます。その仇を討つべく、朝鮮の国を盗もうとしている大泥棒の秀吉に対抗するために、更なる大泥棒として生きていこうと五右衛門は決心します。
 その石川五右衛門にほのかな思いを寄せる女性が、歌舞伎踊りを誕生させる事になる出雲阿国です。従来の日本の芸能である舞や踊りとは違った新しい踊りを創るのに参考になったのが、実は五右衛門が幼き日に見た父の故郷アンダルシアのフラメンコ。それを五右衛門が阿国に伝え、そのフラメンコを取り入れて新しい歌舞伎踊りが生まれる・・・事実とは異なるところもありますが、趣向を凝らした作品をぜひ皆様にお楽しみいただきたいと思っております。

愛之助、吉弥、壱太郎がシスティーナ歌舞伎への意気込みを語りました

片岡愛之助
 システィーナ歌舞伎には初めて出演させていただきます。今回、石川五右衛門を勤めさせていただきますが、日本の歴史の中でも名高き人物であり、また十三代目仁左衛門が得意とし、私も捕手として同じ舞台に出させていただいた事のある思い出深いお役です。石川五右衛門といえば、葛籠抜け、宙乗り、そして有名な「絶景かな」というセリフ・・・今からとても楽しみにしています。さらに、今回はフラメンコも踊りますし、舞台もホールの中央に位置し四方に花道が伸びる、いわゆるアリーナスタイルになります。四方から観られるというのは初体験ですが、どこから観られても隙のないように勤めたいと思っています。

上村吉弥
 今年もシスティーナ歌舞伎に出演させていただける事を幸せに思っております。今回は五右衛門の母親の石田局ですが、片岡十二集の中にもこの名前のお芝居があり、片岡家一門の者としても、この人物を勤めさせていただくことをとても嬉しく思っております。お客様からご覧になって、役者の後ろに絵があるというのはとても素敵な空間だと思います。ぜひ大勢の方に楽しんでいただきたいと思っております。

中村壱太郎
 昨年に続いてのシスティーナ歌舞伎、今年は出雲阿国を勤めさせていただきます。阿国は歌舞伎の様々な作品に出て参りますが、システィーナ歌舞伎ならではの阿国というものをお見せしたいと思っています。昨年はカーテンコールがあったり、普段の歌舞伎では体験できない事もありました。今年は何か新しい歌舞伎の形というものが表現できたらという気持ちでこの公演に臨みたいと思っています。

2011/09/05