京都四條南座「五月花形歌舞伎」初日開幕

南座 五月花形歌舞伎
 5月3日(金・祝)、京都四條南座「五月花形歌舞伎」が開幕しました。

 昼の部は、市川右近が初役で北条高時に挑む、新歌舞伎十八番の『高時』で幕を開け、狂言をもとにした舞踊『太刀盗人』を、すっぱの九郎兵衛に尾上松也、田舎者万兵衛に坂東亀三郎、目代丁字左衛門に片岡市蔵という清新な配役で上演。

 そして今回の公演の話題の一つとなっている、歌舞伎十八番の『鎌髭』が、市川海老蔵の悪七兵衛景清、市川左團次の三保谷四郎という配役で復活上演され、荒事の魅力横溢とした舞台に、熱気に満ちた客席から喝采の拍手が送られました。

 この『鎌髭』は、安永3(1774)年に四世市川團十郎が初演した作品で、今回は初演時の資料などを参考にしながら、新たな着想のもと、脚本、演出を練り上げての上演となりました。市川宗家が『鎌髭』を上演するのは、奇しくも夜の部で上演中の『伊達の十役』を初演した、七世市川團十郎以来のこととなります。

 また『鎌髭』の劇中口上で、海老蔵が「『鎌髭』は私といたしましては、十二代目團十郎が復活いたしまして、親子共演で、舞台を勤めるのが一つの夢でございましたが、それは叶わぬこととなりました。しかしながら、父、團十郎が最後に舞台に立ちましたここ京都南座におきまして、この『鎌髭』が上演できますことは、父への少しでも供養になるのではないかと思いました」と、今回の復活に至った経緯と、無事に初日を迎えた喜びを述べると、盛んに「成田屋!」の掛け声がかけられました。

  夜の部の『伊達の十役』は、上記したように七世團十郎が初演した作品で、市川猿翁が三代目猿之助時代に復活した人気作品。これを受け継いだ海老蔵が、関西圏で初めて挑む注目の舞台です。善悪男女10役の50回近い早替りとそれぞれの役の演じ分け、そして仁木弾正の宙乗りと、見どころにあふれています。

 京都四條南座「五月花形歌舞伎」の公演は27日(月)まで。チケットはチケットWeb松竹チケットホン松竹にて好評販売中です。

2013/05/03