【2日初日】松也が舞台『―天一坊秘聞―「八百万石に挑む男」』出演

『―天一坊秘聞―「八百万石に挑む男」』

 9月2日(火)~24日(水)、新橋演舞場九月公演 「舟木一夫特別公演」で上演される『―天一坊秘聞―「八百万石に挑む男」』に、尾上松也が出演します。

 昭和36(1961)年公開の映画「八百万石に挑む男」の初の舞台化作品。舟木は軍師、山内伊賀之亮を、松也は将軍吉宗のご落胤を名乗る天一坊を演じ、その二人が幕府をひっくり返そうとする壮大な物語です。舟木と初共演を果たす松也は、緊張の面持ちで、会見に臨みました。

スケールの大きな物語で
新たな天一坊像を

 歌舞伎でお馴染みの「天一坊」物と同じく講談をもとにしていますが、脚本担当の齋藤雅文によると、今回は「八百万石に挑む、つまり江戸幕府そのものを乗っ取ってやろうというピカレスクロマン。歌舞伎でいうところの“国崩し”で、舟木さんにふさわしい大きな物語です」。その舟木にとって「天一坊」物は、演舞場の1カ月公演でやりたい演目の一つとして、10年ほど前から温めていた思い入れの深い作品です。

『―天一坊秘聞―「八百万石に挑む男」』

 「この物語には、歌舞伎は別として一般の演劇では、伊賀之亮と天一坊が、男気で結びつき、いたずらっ気もあってちょっと幕府を驚かそうかという話と、もう一つ、天一坊の親子の情を伊賀之亮がフォローしていく話という二つの面があります。今回の脚本はその二面がとてもよく出ていて、お芝居としてスムーズにお見せできると思います」。

 一方、松也にとっての「天一坊」は、十二世團十郎の大岡越前の嫡子、忠右衛門を演じた、平成13(2001)年6月歌舞伎座の『天一坊大岡政談』です。天一坊役は菊五郎。「豪快で、格好いいイメージがあります。今回は、強さもあるがもろいところもあり、人間らしい部分がよく描かれていると思うので、繊細さを上手に演じられたらと思っています」と、役づくりに向けて意欲的に話しました。山伏姿で登場する冒頭には、立廻りの見せ場も用意されているそうです。

『―天一坊秘聞―「八百万石に挑む男」』

楽しみな初共演
 「僕は若い頃から歌舞伎の大先輩方にお世話になり、いろいろと教えていただきました。僕らの世界は親から子へ芸を継承するわけではありませんが、芸が継承されていく歌舞伎の世界とバランスよくやっていけるといいなと、昔から思っていました。今回も歌舞伎界の松也さんと一緒にできてうれしい」と、芸能生活五十周年を経た、重みを感じさせる言葉で、共演者について語った舟木。

 コクーン歌舞伎『三人吉三』の松也を見て、「声の中音の響きがいいし、滑舌もいい」と思ったそうで、「素顔は随分違うのに、メイクをすると僕と似ている。同系統の顔なのかなと親近感を持っています」と、会場を沸かせました。すると松也も、出演者の一人である一門の徳松が、舟木の妻と同級生だったことを明かし、「ご縁を感じて、失礼なのですが、僕も親近感を感じております」と表情をゆるませました。

 今回は、昭和41(1966)年から始まった舟木の座長公演が迎える、記念すべき80公演目ですが、「夢中になってやっていたらこうなっただけ」と、特に気負う様子も感じさせません。第2部では、舟木が「高校三年生」をはじめとするヒット曲や新曲を歌う「シアターコンサート」が、昼夜別構成で行われ、芝居に歌に、舟木の魅力を余すところなく伝える公演となっています。

 新橋演舞場九月公演 「舟木一夫特別公演」は、9月2日(火)から24日(水)まで。チケットは7月25日(金)より、チケットWeb松竹チケットホン松竹にて販売です。

2014/07/11