スーパー喜劇『かぐや姫』出演者が語る

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前列左より、齋藤雅文(演出)、水谷八重子、藤山直美、佐々木渚(脚本)
  後列左より、市川月乃助、市川春猿、市川猿弥、市川笑也、上條恒彦、大津嶺子

 3月6日(金)から新橋演舞場、4月5日(日)からは大阪松竹座で上演される、スーパー喜劇『かぐや姫』の出演者らが、製作発表記者会見に臨み、公演への思いを語りました。

 藤山直美を中心に、劇場を笑いの渦に巻き込むスーパー喜劇が、第1弾『狸御殿』から10年ぶりに新橋演舞場と大阪松竹座に帰ってきます。今回もエグゼクティブスーパーバイザーを務める猿翁は、「フレーフレー直美!! 親子二代にわたり大ファンの市川猿翁でございました」と、期待のコメントを寄せました。

喜劇+スーパー歌舞伎=スーパー喜劇
 藤山の喜劇と猿翁のスーパー歌舞伎が合体した「スーパー喜劇」。藤山は、「一つの新ジャンルになったらいいけれど、“珍獣”が集まったので、ジャングルにならないよう、楽しい芝居になるように努力します」と、会見の冒頭から出席者一同の和気あいあいとした雰囲気を感じさせました。

 2度目の出演となる笑也が、「前回は、お客様に笑いを提供することは、こんなにも緊張感のあることなのかと思った」と振り返ると、「喜劇の中に歌舞伎、歌舞伎の中に喜劇。今回もいいとこどりになることは間違いありません」と、『狸御殿』で藤山と宙乗りを見せた猿弥。春猿は「直美さんが一緒の場面では、毎日違うことを仕掛けられて、せりふが言えなかった」と悔しかった思い出を語り、それぞれに今回の舞台こそと意気込みました。

 スーパー喜劇初参加組からも、「張り切ってお役に立ちたい」(水谷八重子)、「初めてなので興味津々、どんな歌を歌うことになるのか」(上條恒彦)、「日頃していないことを舞台でさせていただけるのがうれしい」(大津嶺子)と、舞台を楽しみにしている様子がうかがえました。月乃助は、さまざまな分野で活躍する共演者と舞台に立てることが「夢のよう」と喜び、「スーパー歌舞伎、新派の舞台で培ったものを自然と出せれば」と意欲的に語りました。

スーパー喜劇『かぐや姫』出演者が語る

『狸御殿』のきぬた姫から月の世界の『かぐや姫』に
 太陽の王(上條)と月の女王(水谷)の間に生まれたかぐや姫(藤山)、「お客様も期待されていると思うので、皆さんの力をお借りして楽しいかぐや姫をご覧いただきたい」と脚本の佐々木渚。演出の齋藤雅文は、「直美さんの本領はリアルさ、そして歌舞伎や新派に根があると思っています。ありとあらゆる直美さんをお見せしたい」と構想を明かしました。

 その結果、藤山は「自分で竹を切って、歌舞伎の怪童丸のように出てくるんです」。幕開きから「直美さんらしい歌って踊って暴れて立廻りも…」(齋藤)と、お客様を一気にスーパー喜劇に引き込みます。

スーパー喜劇『かぐや姫』出演者が語る

 猿翁がモットーとする「お客様があっての演劇。お客様をどれだけ楽しませられるか」を引き合いに出したのは笑也で、春猿も「新しいことをどんどん取り入れるのが“スーパー”とつくゆえんですから」と、猿翁のスピリットのもと、よりよいものにする努力を惜しまないことを誓いました。水谷も「どんな役目にも応える覚悟でおります」と宣言しつつ、「高所恐怖症なのでそこだけはよろしく」と、会場を笑わせました。

藤山の目指す舞台
 歌舞伎俳優や、新派をはじめさまざまな劇団、舞台で活躍する俳優がそろうスーパー喜劇。「役者がそろうと、こんなにすごい!とお客様に思っていただけるとうれしい」と藤山は期待を膨らませると同時に、「でも、物語として成立していることが一番大事だと思います。物語が成立してこそ、踊りがあり、歌があり、ケレン味の面白さがある。その歌や踊りも、なんとかこなしている、ではなくて人物としてきちんと成立させ、物語と人物の相乗効果があればなおいいなと」。

 「人の心情、感情にのっとって、自然に笑ってもらえるのが喜劇。物語がつくり出す情愛を感じて、笑っていただけるところが出てくればと思っております」。最後は、喜劇を大切にする藤山ならではの言葉で会見が終了しました。

 スーパー喜劇『かぐや姫』は、3月6日(金)~31日(火)新橋演舞場、4月5日(日)~27日(月)大阪松竹座での上演。チケットは、1月25日(日)より新橋演舞場公演分、3月5日(木)より大阪松竹座公演分が、チケットWeb松竹チケットホン松竹にて販売されます。

2015/01/16