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獅童出演、新派『寺田屋お登勢』初日に向けて

獅童出演、新派『寺田屋お登勢』初日に向けて

 『寺田屋お登勢』中村獅童(舞台稽古より)

 3月3日(木)から、国立劇場大劇場で始まる「国立劇場新派公演」の前日舞台稽古が公開され、『寺田屋お登勢』に出演する中村獅童が初日に向けて意気込みを語りました。

 八重子十種の内『寺田屋お登勢』は、船宿寺田屋の気丈な女将お登勢と、幕末を駆け抜けた志士坂本龍馬の、はかなくも熱い心の交流を描く作品です。28年ぶりにお登勢を勤める水谷八重子は、「素敵な龍馬さんとばかりご一緒してきて、私は幸せなお登勢なのですが、今度の龍馬さんも素敵すぎて、どきどきしています」と、共演する獅童の龍馬を称えます。

 

 

獅童出演、新派『寺田屋お登勢』初日に向けて

 もう一つの演目が、花柳十種の内『遊女夕霧』。大正期の吉原を舞台に、愚直なほどに情け深い遊女を描く一幕です。自身8度目となる夕霧を勤める波乃久里子は、「おじいちゃま(六世尾上菊五郎)に力をもらって勤めたいと思います」と、大劇場ロビーの彫刻「鏡獅子」を振り返りながら語りました。

 

 新派初参加となる獅童、男らしい龍馬の姿を初めて披露しました。「八重子さん、久里子さんをとても尊敬しておりますので、少しでも芸を盗めればと思います」と真摯に語り、かつて叔父の萬屋錦之介が勤めた役に向け、熱が入ります。幕末の世に欧米と肩を並べようとする龍馬のせりふは、水谷いわく「今の世と同じことを思わせるものがあってどきりとします」。その一方、第一幕第二場には、龍馬が拾ってきた犬を抱えて花道を歩く、心の和む場面もあるとか。獅童は「実は、この犬は我が家の愛犬エルで…自分のことより気がかりです」と笑顔を見せました。

 

 俳優人生を国立劇場歌舞伎俳優研修生としてスタートした月乃助。「母校ともいうべき国立劇場で新派公演をさせていただけることを、本当にうれしく思っています」と、晴れやかな表情を見せました。『遊女夕霧』では、夕霧に惚れ込むあまり罪を犯す番頭与之助役、そして『寺田屋お登勢』にも、龍馬の同志、陸奥源二郎(陸奥宗光)役で出演します。月乃助との共演について獅童は、「歌舞伎以外の舞台でご一緒するのは初めて。新鮮な気持ちですね」と語りました。

 

  出演者一同、「たった23回の公演、一人でも多くのお客様にご覧いただきたい」と口々に語り、開幕に向け心は一つです。公演は3月27日(日)まで、チケットは販売中です。

 

 

「国立劇場新派公演」3月3日(木)~27日(日)公演情報はこちら

2016/03/03