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松也歌舞伎自主公演「挑む Vol.9」のお知らせ

松也歌舞伎自主公演「挑む Vol.9」のお知らせ

 8月4日(金)~6日(日)に大阪 ABCホール、22日(火)~24日(木)には東京 日本橋公会堂で、尾上松也歌舞伎自主公演「挑む Vol.9」が開かれます。

 「挑む」では初めてとなる東西2カ所での公演。松也が意気込みと新たな挑戦について語りました。

 

 ――今回、初めて大阪でも上演。しかも東西で別狂言です。

  「挑む」を始めたときから、東京以外のところでもさせていただきたいと考えていました。それが9回目でやっと実現することになります。東京以外でもと考えたのは、まずより多くの方に見ていただきたいからです。加えて「挑む」は親しみやすい形で公演をお届けしたいというコンセプトでやってきましたので、より身近に、よりお越しいただきやすくと考えてのことです。

 

 狂言立てを別にしたのは、劇場が違いますので、それに合ったものをと思ったことが一つ。もう一つは一昨年、「挑む」にとって初挑戦だった新作、『二人袴(ふたりばかま)』を再演したかったからです。狂言を元にした喜劇ですので、大阪の方にも楽しんでいただけると思いますし、逆に、笑いどころの大阪でどう評価していただけるのだろうかということも楽しみにしております。

 

松也歌舞伎自主公演「挑む Vol.9」のお知らせ

 ――昨年は『二人袴』のほか『武悪』も手がけられました。自主公演で新しい作品づくりにとり組む理由は。

 この公演の位置づけが私のなかで変わってきたことが大きいと思います。当初は尾上松也という存在を知っていただくきっかけとなることが第一の公演でした。そのうち、ここで勉強させていただいたお役をいずれ本興行でも、という夢も抱いたわけですが、ありがたいことに実現できるチャンスも生まれる状況になりました。ですが、それで“挑む”心が失われてはなりません。今度はここでつくった作品をいつか本興行でという夢を持つようになりました。つまり、『二人袴』が、初心に戻してくれる存在になったのだと思います。

 

 ――ご自身では『二人袴』のどのようなところがお好きですか。

 松羽目物にはさまざまなシチュエーションがありますが、この作品では主従でも夫婦でもなく、親子の間に起きる喜劇というところが非常に面白いと思います。アットホームな話ですし、どなたにでも微笑ましく見ていただける作品だと自負しています。2回目の今回はよりわかりやすく、よりテンポよくを意識しつつ、手を加えています。

 

 ――東京では『番町皿屋敷』が上演されます。

 ずいぶん前から、「挑む」のメンバーから勧められていたのですが、私自身が踏み出せずにいました。ですが、『魚屋宗五郎』磯部主計之助や『妹背山婦女庭訓』求女、『鎌倉三代記』三浦之助といった白塗りの二枚目をさせていただく機会が増え、今ならと考え、梅玉のお兄さんにご指導いただき、上演させていただくことにしました。

 

 白塗りの二枚目は感情を大きく表現しないことが多く、そこに難しさを感じていたのですが、青山播磨は激情型。演じたことのないタイプですので、どのようになるか、私にとっては未知な部分のお役です。新歌舞伎ですので写実的でもありますが、同時に歌舞伎味もしっかりあります。なぜそんな好きな人なのに…、なぜ死んでしまってから…等々、理屈どおりにはいかない人間の業が描かれた、ある種の悲恋物語。この切なさを「挑む」にご来場のお客様がどのようにとらえてくださるかも楽しみです。

 

 ――舞踊は大阪では『三社祭』、東京では『乗合船恵方萬歳』が上演されます。

 『三社祭』は國矢さんと蔦之助さんが踊ります。二人の『三社祭』を私自身がぜひ観たかったのです。東京は『番町皿屋敷』のあとですので、爽快に、楽しい気分で劇場を後にしていただけるようにと考え、『乗合船』にしました。普段はあまり出ない総踊りをやる予定です。演出的にも派手なものにし、賑やかに幕を閉めたいと思います。

 

 ――来年で公演10回目。これからの「挑む」についてはどのようにお考えですか。

 何も決めていません。ただ、私にとっては大きな道しるべにもなっていますので、「挑む」のメンバー全員がやりきったと思えるところまでやり続けたいと考えています。公演地も増やしていきたいですし、それ以外の野望もあります。それらを一つひとつかなえていきながら、より多くの方に楽しみにしていただけるような公演にしていきたいと思っています。

 

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尾上松也歌舞伎自主公演「挑む Vol.9」

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松也歌舞伎自主公演「挑む Vol.9」のお知らせ

 大阪公演のチラシは昨年に引き続き、石川真澄氏の絵で、『二人袴』の松也が目を引きます

【大阪公演】

一、大阪御目見得 口上(おおさかおめみえ こうじょう)

尾上松也

 

二、三社祭(さんじゃまつり)

悪玉:澤村國矢
善玉:市川蔦之助

 

三、二人袴(ふたりばかま)

高砂尉兵衛:尾上松也
高砂右馬之助:尾上音一朗
家来鈍太郎:尾上隆松
左衛門妻老松:尾上徳松
左衛門娘雛鶴:市川蔦之助
住吉左衛門:澤村國矢
後見:尾上まつ虫

 

日時

2017年8月 4日(金) 18:00開演
  5日(土) 13:00/18:00開演
  6日(日) 11:00/16:00開演
  ※開場は開演の45分前

 

場所

ABCホール

大阪市福島区福島1-1-30

 

チケット

全席指定:8,500円(税込)

2017年7月7日(金)12:00~発売

 

チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:480-006)

イープラス

 

お問い合わせ

キョードーインフォメーション 0570-200-888(10:00~18:00)

 

 

松也歌舞伎自主公演「挑む Vol.19」のお知らせ

 油彩?水彩?それとも…? 東京公演は原画が会場に展示される予定。ぜひ、そばでじっくりご覧ください!

【東京公演】

一 、口上(こうじょう)

尾上松也

 

二、番町皿屋敷(ばんちょうさらやしき)

   番町青山家の場

青山播磨:尾上松也
腰元お菊:市川蔦之助
腰元お仙:尾上隆松
奴権六:尾上まつ虫
奴権次:尾上音一朗
用人柴田十太夫:大谷桂三

 

三、乗合船恵方萬歳(のりあいぶねえほうまんざい)

萬歳鶴太夫:尾上松也
才造亀吉:澤村國矢
白酒売おふじ:尾上徳松
女船頭お浪:大谷桂太郎
芸者春菊:尾上隆松
大工芳松:尾上音一朗
通人杏雨:市川蔦之助

 

日時

2017年8月 22日(火) 18:00開演
  23日(水) 13:00/18:00開演
  24日(木) 13:00/18:00開演
  ※開場は開演の45分前

 

場所

日本橋公会堂

東京都中央区日本橋蠣殻町1-31-1

 

チケット

S席:10,000円(税込) A席(2階後方席):8,000円(税込)

2017年7月7日(金)12:00~発売

 

お問い合わせ

キョードー横浜 045-671-9911(祝日を除く月~土曜11:00~18:00)

 

 

「挑む」公式サイト

2017/06/27