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歌昇、種之助勉強会「第三回 双蝶会」のお知らせ

歌昇、種之助勉強会「第三回 双蝶会」のお知らせ

 8月5日(土)・6日(日)、国立劇場小劇場で、中村歌昇 中村種之助 勉強会「第三回 双蝶会」が開かれます。

 今回も中村吉右衛門監修のもと、二人が挑むのは、『一條大蔵譚』と『傾城反魂香』。『傾城反魂香』の又平は歌昇、『一條大蔵譚』の大蔵卿は種之助と、それぞれが主役を勤めます。

 

 「『傾城反魂香』は、コンプレックスを抱えた人物の苦労が報われるまでを、歌舞伎的ファンタジーで描いた作品だと思います。大好きな演目ですし、吉右衛門のおじさんが度重ねて演じてこられた役の一つでもありますので、ぜひ学ばせていただきたいと思いました」と歌昇。種之助は「一條大蔵卿は、憧れのお役のなかでも学びたいことの多いお役でした。せりふのなかで表現する品格や感情、肚(はら)など、さまざまな表現を学ばせていただきたいと思っています」と語りました。

 

歌昇、種之助勉強会「第三回 双蝶会」のお知らせ

吉右衛門からの学び

 それぞれが深い思い入れのある役。歌昇は本公演では過去に2度『傾城反魂香』に出演、修理之助として吉右衛門演じる又平と共演しています。「助太刀に旅立つ修理之助を止めるときの又平の必死さ。間近に感じた吉右衛門のおじさんの気迫は、ずっと僕の奥深くに残っています。加えて、4月に歌舞伎座で演じられた際には、楽屋もご一緒させていただき、舞台も毎日拝見させていただきましたので、おこがましいことですが、どこまで近づけるかという思いでいます」。

 

 種之助は本公演で『一條大蔵譚』に出演したことはありませんが、歌昇が大蔵卿を演じた際に、吉右衛門の指導、稽古を間近に見てきました。「兄以外にも、吉右衛門のおじさんのご指導で大蔵卿をなさる先輩がいらっしゃいましたので、そちらを拝見したこともあり、僕のなかにも、播磨屋の大蔵卿のイメージがしっかりでき上がっています。それにどうやったら近づけるか。それを学ぶことが、双蝶会で大切にしていることです」。

 

歌昇、種之助勉強会「第三回 双蝶会」のお知らせ

兄弟で初の夫婦役

 第三回にして初挑戦となるもう一つが、兄弟で夫婦役を演じること。『傾城反魂香』のおとくは種之助が演じます。「今回、この演目をさせていただくもう一つの理由が、弟がおとくを演りたいと願っていたことでした。芝居で、夫婦で組むのは初めてのことですので、どういう感覚になるか、まったく予想がつきませんが、今から兄弟二人の距離を近くして、仲よくと思っています」と、歌昇が種之助を見てにやり。

 

 当の種之助のほうは、「父が襲名の全国公演で又平を演じた際に、雀右衛門のおじ様がおとくをなさっていて、いいな、いつかおとくもさせていただけることがあればと思っていました。ただ、僕も芝居では女方の経験がほとんどありませんので、予想のつかないことばかりです。でもだからこそ学ぶことが多いのではととても楽しみにしています」。

 

同世代の仲間とともに

 『一條大蔵譚』には歌昇が鬼次郎として出演、こちらでも兄弟共演が見られます。そして常盤御前には壱太郎が、お京には米吉が出演します。種之助は、「同世代の役者さんたちがこの会に興味を持ってくれているのかなという印象を持てるようになりました。お客様や関係者の方も“今年は?”と声をかけてくださることが増えました。回を重ねられた成果かなと感じています」と笑顔を見せました。

 

 チラシは両面カラー、これも今回初です。「弟の発案です。事務的なことはほとんど弟にまかせきりで、頭が下がるばかりです」と感謝した兄。「今回のスチール撮影でうれしかったのは、吉右衛門のおじさんが新しくされたお衣裳を着させていただいたことでした。ふた通りありましたので、どちらにとご相談したところ、新しいほうを着たら、とお許しをいただきました。兄が以前着た衣裳とは違いますので、ご注目いただけたら」と、うれしそうに語った種之助。

 

 「双蝶会は僕らが勉強することが第一義の公演ということで、勉強会とさせていただいていますが、お客様がとても温かくて、そのことに毎回、感謝しています。お客様と僕らが見る方向が同じであるように。それも心がけて、第三回に臨みたいと思います」と、歌昇は3度目の夏に向け、意欲満々なところを見せました。

 また、最後に9月に催される写真展についても触れ、「双蝶会や、今月の歌舞伎座のお役も撮っていただいています。舞台裏の写真のほうが多いかもしれません」と種之助。写真家笹口悦民氏による写真展は、9月1日(金)~14日(木)ソニーイメージングギャラリー 銀座で開催されます。

 

歌昇、種之助勉強会「第三回 双蝶会」のお知らせ「第三回 双蝶会」

 チラシ撮影で衣裳を身に着け、ここでも多くの発見があったといいます

 

 

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中村吉右衛門監修

第三回 中村歌昇 中村種之助 勉強会

「双蝶会」

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一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)

 奥殿

一條大蔵長成:中村種之助
吉岡鬼次郎:中村歌昇
お京:中村米吉
八剱勘解由:中村蝶十郎
鳴瀬:中村蝶紫
常盤御前:中村壱太郎

 

近松門左衛門 作 

傾城反魂香(けいせいはんごんこう)

 土佐将監閑居の場

浮世又平後に土佐又平光起:中村歌昇
女房おとく:中村種之助
土佐将監:中村又之助
将監北の方:中村梅乃
狩野雅楽之助:中村蝶三郎
土佐修理之助:中村米吉

 

 

日時

2017年8月 5日(土)17:00開演
  6日(日)12:30/17:00開演

※開場は開演の30分前

 

場所

国立劇場小劇場

東京都千代田区隼町4-1

 

チケット

全席指定:9,000円(税込)

 

2017年6月20日(火)10:00発売

 

チケットWeb松竹 チケットWeb松竹スマートフォン版 ※チケットホン松竹でのお取扱いなし

・国立劇場チケット売場(10:00~18:00) ※窓口販売のみ

・双蝶会事務局 03-5797-7834(10:00~18:00) FAX:03-5797-7440

 

お問い合わせ

燿の会(ようのかい)

2017/06/16