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新橋演舞場『ワンピース』開幕を前に

新橋演舞場『ワンピース』開幕を前に

 

 

 10月6日(金)の新橋演舞場「スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』」開幕を前に、公開舞台稽古が行われ、演出・出演の市川猿之助が意気込みを語りました。

 「今回、自信があります。完成形に近づきました。自分が観ていて面白いと思ったので、面白いんだと思います。すごくいい出来です」。公開舞台稽古を前にして猿之助は、稽古の充実感そのままに語りました。

 

 たくさんの要素を盛り込んだ初演から、「より洗練され、そぎ落とされ、また、LED照明を背景に使いましたので、よりアニメ感が増しています。そしてなにより、ゆず本人が『TETOTE』をプレゼントしてくれたのが大きいと思います」と、にっこり。初演で主題歌を提供したゆずの北川悠仁から、「今度は僕らが歌うよと言ってくれたので、もちろん歓迎だと答えて実現しました」。

 

 「TETOTE」が流れる第二幕の終盤は、「ここに限り、立って手拍子もOK。そして、子ども、大人一緒に楽しめるようにするには体を動かすことだと思うので、スーパータンバリンをぜひ」と、自らスーパータンバリンを手に初披露した猿之助。「ただ、僕らがちゃんとこれを振れるかどうか…。一所懸命、今やっています」と、定式幕の色に合わせたシンバルを響かせてみせました。

 

 今年7月には漫画「ONE PIECE」が連載20周年を迎えました。「そういうことを感じさせないみずみずしさがありますよね」と、新鮮さを失わない原作に感服した様子を見せた猿之助ですが、歌舞伎の『ワンピース』も、「再演とうたっていますが、本当に初演に近い驚きと、新鮮さでもって、近年まれにみるほど、自信を持ってお届けする作品だと思っています」と、負けない熱量をアピール。そして、みずみずしい若手中心の特別マチネ「麦わらの冒険」公演を、「彼らも一所懸命やっているので、そちらも見ていただければと思います」と続けました。

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帰ってきた『ワンピース』は新しい形でお目見え

 「再演といっても、まったく新しいといっていいくらい、つくりが変わっています」と猿之助が話したのは本当でした。公開された舞台稽古は、幕開きからカーテンコールまで初演のままというところを探すのが難しいくらい、道具、衣裳、照明、演技、せりふ、あらゆる要素に手が加えられ、特に、初演後の大阪、博多の公演を観ていないお客様にとっては、猿之助の言葉どおり、別の作品の初演を観ている感覚になるかもしれません。

 

 幕開きの奴隷市場、目につくのは人魚のケイミーの水槽。ぐっと豪華になっています。そんなところから、麦わらの一味の名のりまで、懐かしいという気分になる前に、『ワンピース』の世界に一気に引き込まれていきます。登場人物はそれぞれが個性をより発揮、配役の変わったナミ、サンダーソニアの新悟は初演と異なる衣裳で、新たな魅力を放ちます。衣裳といえば、ハンコックのルフィへの愛を表す豪華な衣裳もみどころです。

 

お客様も体を動かして一緒に楽しめる 

 「休憩時間もお客様を休ませない工夫がしてあります」と猿之助が明かしていましたが、開演前と幕間には、舞台のスクリーンに出演者たちによるCMが流れます。第二幕の通称ファーファータイムに向けて、スーパータンバリンのCMもあれば、ある人気キャラクター二人の掛け合いもあり…。「3回くらい観に来ていただかないと」とは猿之助の弁。見てのお楽しみです。

 

 第二幕には、東京初お目見得のサディちゃんが登場します。チョッパー役に挑む市川右近(ダブルキャスト)は、「食べちゃいたいほどかわいい」と猿之助。また、ニューカマーランドの踊り、大滝での迫力の立廻りなど、数々のみどころがパワーアップされています。そして、いよいよお客様の出番、「スーパータンバリンはここで取り出してください」と案内があり、振り方指南もありますので、あとはスタンディングで、ゆずの歌声に合わせて思い切り楽しんでいただけます。

 

ドラマが色濃くにじみ出てくる第三幕 

 第三幕は、全体がクライマックスといっていいほど、ドラマが凝縮されたひと幕。スクアードと白ひげのドラマが、この場の軸としてくっきりと浮かび上がってきました。不死鳥マルコは尾上右近になり、「逆宙乗り、上から出てくるのを大阪、博多でやっていましたが、東京では初めて」と、ここでも新しい演出が披露されます。火拳のエースの平岳大も東京初登場、戦いがよりダイナミックになり、ルフィと絆を確かめ合う名シーンとの対比が鮮やかです。シャンクスは初役の平、猿之助とまったく異なるその登場にも注目です。

 

 LEDのクリアな映像は随所でその効果を上げていますが、プロジェクションマッピングとのシンクロもあって、第三幕は前幕とはまた違った形で、場内の一体感が生まれました。初めて『ワンピース』をご覧になる方も、初演をご覧になった方も、新しいスーパー歌舞伎II『ワンピース』の壮大な冒険を、ぜひ劇場で味わってください。 

新橋演舞場『ワンピース』開幕を前に

劇場限定発売、この台紙が目印です。第二幕開始前にはお買い求めください!
(C)尾田栄一郎/集英社
(C)尾田栄一郎/集英社・スーパー歌舞伎II『ワンピース』パートナーズ

 「スーパータンバリン」は、原作の尾田栄一郎直筆の台紙つき900円(税込)で、新橋演舞場内の各階売店、筋書売場のほか、鑑賞券をお持ちでなくてもお買い求めいただける切符売場(10:00~18:00)でも販売。

 

 新橋演舞場「スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』」は、10月6日(金)から11月25日(土)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹で販売中です。 

2017/10/06