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愛之助が語る「第十一回 永楽館歌舞伎」

愛之助が語る「第十一回 永楽館歌舞伎」

 10月18日(木)から始まる、兵庫県 出石永楽館「第十一回 永楽館歌舞伎」に出演の片岡愛之助が、公演への思いを語りました。

新たなスタートを切る「永楽館歌舞伎」

 平成20(2008)年に大改修を経てよみがえった出石永楽館。その柿落公演として始まった「永楽館歌舞伎」は昨年、10年の区切りを迎えました。第1回から公演を引っ張ってきた愛之助は、10回の積み重ねを喜ぶとともに、豊岡市長をはじめとする開催関係者、地元の皆さん、お客様に深く感謝しました。

 

 「今年は10月の開催で、序幕の演目として『弁慶上使』を選び、武蔵坊弁慶を初役でさせていただきます。永楽館にぴったりだと思っております」。明治生まれの芝居小屋で、兵庫県の指定文化財にもなっている永楽館は、大きさや場所などの諸条件から上演できる歌舞伎の演目も限られます。そのなかで、「作品自体、すごくよくできておりますが、最近、特に関西ではあまりかかっていません。いろいろな要素が含まれていて、いかにも歌舞伎らしい演目です」。続く中幕には、地元で根強い人気の『お目見得 口上』を上演します。

 

愛之助が語る「第十一回 永楽館歌舞伎」

歌舞伎初、インターネット公募で上演演目を決定

 そして、「なにかちょっとでも新しいことができないか」と考えた末に行われるのが、切狂言を、歌舞伎初のインターネット公募で選ぶという試み。劇場の条件で人気1位になっても上演できないのでは意味がないと、これまで永楽館で上演した全演目から投票で選ぶことになりました。

 

 愛之助は、自身が選ぶ一番はと聞かれ、「いろいろ思い入れがありますから、これが一番というのはありません。初役で挑戦させていただいているので、できたら一から順番にやっていきたい。すべて心に残る演目でございます」と、10年間の思いをかみしめるように答えました。公募は11日(水)まで、こちらからご投票いただくほか、応募用紙の郵送、FAXも受け付けています。

 

永楽館で生まれた演目を全国に発信

 「歌舞伎俳優としてたくさんの役を勉強させていただき、ずいぶん引き出しが増えました。こののちも一生やり続けたい。それくらい大切です。また、上方の俳優として、上方でたくさんの演目が生まれ、一つでも多くの演目を永楽館発信で大劇場にかけていきたい。常々、そういうものを目指してつくっておりますし、ここを基盤にいろんなものを発信し、豊岡市を、上方を盛り上げていきたい」。力のこもった言葉に愛之助の思いがあふれました。

 

愛之助が語る「第十一回 永楽館歌舞伎」

 左より、大橋直人永楽館歌舞伎実行委員会会長、片岡愛之助、中貝宗治豊岡市長

 その思いは舞台の外へも向かいます。「子どもたちに歌舞伎を観ていただきたい。子どもたちに歌舞伎の面白さを伝えることが、次の世代につながっていくことになる」。愛之助の思いも受け、豊岡市と出石まちづくり公社は昨年から、市内の小中高校生が割引料金で観劇できるようにし、今年は8月に小学生を対象にした4日間のワークショップで、歌舞伎を体験してもらうとり組みも行われます。中貝宗治市長も、「出石を中心とする地域の伝統をしっかり守り、歌舞伎の文化をこの地に根ざす努力をしたい」と、頼もしい方針を打ち出しました。

 出石永楽館「第十一回 永楽館歌舞伎」は10月18日(木)から24日(水)までの公演。チケットは9月2日(日)から永楽館窓口で、9月3日(月)からは、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹ほかで発売予定です。

 

「第十一回 永楽館歌舞伎」もう一度観たい!演目公募はこちらから

2018/07/07