インタビュー・文 富樫佳織、衣裳写真 松竹衣裳(株)、構成 栄木恵子(編集部)
歌舞伎の舞台に散りばめられている様々な文様。
そのひとつひとつには、人間が森羅万象をモチーフ化することで込められた暮らしの中の祈りや美意識があります。
文様の意味を知れば、歌舞伎をもっと深く理解できるかもしれない。
東京藝術大学先端芸術表現科教授の伊藤俊治さんのご案内で文様の世界へと誘います。
今回は、歌舞伎の舞台でもひときわ目をひく「火焔文様」です。
『義経千本桜』の狐忠信の着物や『鳴神』で鳴神上人が雲絶間姫(くものたえまのひめ)に騙されたと知り変化した後にぶっかえりで現れる衣裳の文様には燃え上がる炎が施されています。
火焔を纏うのは荒々しい男性だけではありません。
『助六由縁江戸桜』では傾城(けいせい)揚巻の真っ赤な打掛に金色の豪華な火焔太鼓があしらわれ、観客の目を奪います。これも火焔文様がモチーフ。その文様のルーツ、気になりませんか。