歌舞伎いろは

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豪快無双のねぶた祭りを訪ねる
講談や歌舞伎に想を得て描き出される勇壮なねぶた。

 青森出身の人間にとってねぶたとは“無条件に血が騒ぐもの”だとか。「ラッセ、ラッセ、ラッセラー!」という威勢のよい跳人(はねと※踊り手のこと)の声、笛と太鼓、手振り鉦(がね)のお囃子には、青森県人ならずとも思わず血が騒ぐ。夏の濃い闇に浮かび上がるのは、天下無双の豪傑の勇姿。青森名物・ねぶた祭りを一目見ようと、毎年国内外から300万人もの観光客が押し寄せる。日本各地に山車が出る祭りは数多いが、ねぶたの巨大さ、勇壮さは中でも一二を争うものだろう。一年をかけて準備される見事なねぶたは、熱く盛り上げた後は取り壊される運命。その潔さもまたいい。人々の想いは凝縮され、祭りの日に爆発する。後に残さず、今このときとばかりに燃え盛るそのエネルギーこそが、ねぶたを力強く輝かせる光なのかもしれない。

文/湊屋一子、写真/岡崎健志、
取材コーディネート/門松久美子、
構成/古田秘馬、中西由紀(編集部)

 
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