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岡村柿紅

おかむらしこう

 『身替座禅(みがわりざぜん)』の作者である岡村柿紅は、本名を岡村久寿治と言い、明治14年(1881年)に高知県高知市で生まれました。

 中央新聞の記者として言論の世界へ入った柿紅は、二六新報、読売新聞を経て、博文館刊行の雑誌「演芸倶楽部」の編集主任、そして化粧品会社・伊東胡蝶園の出資で設立された玄文社刊行の雑誌「新演芸」の主筆となりました。

 その一方で柿紅は、明治43年(1910年)に六世尾上菊五郎、七世坂東三津五郎のために『身替座禅』を書き下ろし、以後、続々と菊五郎の出演していた市村座のために新作を書き下ろしていきました。柿紅の作品に、狂言を題材としたものが多いのは、柿紅が鷺流(現在は廃絶)の狂言に通じていたためです。

 大正4年(1909年)に柿紅は、田村成義に招かれて市村座へ入り、後には市村座専務となりました。そして市村座社長の田村寿二郎急逝後は、柿紅が市村座の経営にあたりましたが、激務が祟り、大正14年(1925年)に、44歳の若さで逝去しました。

 柿紅の親友で「馬楽忌(ばらくき)や 酔(すい)万太郎 酔柿紅」と詠じた吉井勇は、岡村柿紅を追憶して「何故あんなに早く世を去ってしまったのであろうか」と、早すぎる死を悼みました。(M)

*岡村柿紅の主要な作品としては、劇作に『椀久末松山(わんきゅうすえのまつやま)』『傾城三度笠(けいせいさんどがさ)』、舞踊に『棒しばり』『芋堀長者』『太刀盗人(たちぬすびと)』『茶壷』『悪太郎』『幻椀久(まぼろしわんきゅう)』などがあります。



解説

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