夏芝居

なつしばい

 夏のお芝居といえばスペクタクルに富んだ演目や怪談物などがおなじみですが、これは江戸時代から続くひとつの流れです。

 暑い夏とはいえ、江戸の芝居小屋も休場するわけには行きません。というわけで思いついたのが夏の特別企画、季節感のある演目や、本水・宙乗り・早替りといったこれも涼しさを呼ぶ演出の登場、さらに怪談物の上演など、文化文政の頃には「夏芝居」「夏狂言」といった形が定着しました。

 時代が変り現在はどこの劇場も冷房完備ですが、夏の過ごし方や観客の好みは遠く時代を超えて受け継がれ、今でも夏のお芝居は一段と斬新な演目や工夫の凝らされた演出が楽しみ、時には怪談物も大きな評判を呼んでいます。(K)



解説

歌舞伎 今日のことば

バックナンバー