歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



 
NHK教育「にほんごであそぼ」で、2010年11月より歌舞伎の歌「たのしやかぶき」が放送開始になりました。

歌っているのは我らが市川亀治郎さんと歌舞伎の子役で活躍中の秋山悠介君です。
市川笑三郎さん(紫派 藤間流二代目家元代行 藤間可笑)による振付は時に勇ましく時にしなやか。思わず一緒に踊りたくなる親しみやすさもあり、歌舞伎囃子方の田中傳左衛門さんと尺八奏者の藤原道山(ふじわらどうざん)さんも、ちょっぴり踊りに参加しています。
コスチューム・アーティストのひびのこづえさんによる舞台衣装や舞台背景はポップで個性的。何度も見たくなる楽しい歌と踊りの映像が完成しました!

※NHK教育テレビ『にほんごであそぼ』の現在の放送時間については 番組ホームページでご確認ください。


今回は「たのしやかぶき ~切られ与三・武蔵坊弁慶~」の歌詞だけでなく、振付の一部を写真付きで解説しています。亀治郎さん、悠介君とご一緒に、放送を見ながら皆さんも歌って踊ってみてください。
押戻(おしもどし)ってなあに?
「おおさえ、おおさえ、よろこびありや」は、歌舞伎舞踊『三番叟(さんばそう)』が出典で、五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈り舞う曲。『三番叟』は元々は能。お正月や祝儀など、おめでたい時によく上演されます。「おおさえ」は、大きい幸でもあり、押さえ=踏歌と同じ目的で地面、舞台を踏みならして悪霊を封じ込める動作の意味だとも言われています。
どんなストーリー?
囃子のお稽古は、師匠からお弟子さんに口立てで行われますが、「ほっほ」と 「とったん」は、そのお稽古で使われる言葉です。 囃子は大体八拍で一単位になります(一クサリと言います)。八拍をカウントでなく、「つ、はっ、は、ヨー、(半拍) ほっ、ほ、とったん」というように言いながらお稽古をします。「ほっほ」は掛け声、「とったん」は一クサリの区切りの意味です。
 
出演者のご紹介
二代目 市川亀治郎 (いちかわかめじろう)
屋号は澤瀉屋(おもだかや)。市川段四郎の長男。祖父に三世段四郎、曾祖父に初世猿翁、伯父に市川猿之助、祖母に女優の高杉早苗、俳優の香川照之は従兄弟にあたる。慶應義塾大学文学部卒業。55年7月歌舞伎座『義経千本桜』の安徳帝で初お目見得。58年7月歌舞伎座『御目見得太功記』の禿(かむろ)たよりで二代目市川亀治郎を名のり初舞台。2002年には自身の勉強会「亀治郎の会」を立ち上げる。

2010年秋、蜷川幸雄演出の「じゃじゃ馬馴らし」で主役のキャテリーナを好演、新聞各紙の劇評でも高い評価を受ける(11月5日〜17日は北九州・大阪公演)。11月28日(日)には、NHK大河ドラマ『龍馬伝』最終回に、坂本龍馬を暗殺する“下手人”京都見廻組の今井信郎役で出演。
市川亀治郎さんの歌舞伎出演情報
2011年1月 新春浅草歌舞伎
2011年2月 ル テアトル銀座 二月花形歌舞伎
2011年5月 明治座 五月花形歌舞伎
 
出演者のご紹介
秋山悠介 (あきやまゆうすけ)
2001年生まれ、小学校3年生。歌舞伎の子役としての舞台は2008年から、勤めた舞台は16公演に及ぶ。市川亀治郎との初共演は2008年4月日生劇場『風林火山』で、翌月5月新橋演舞場『毛谷村』でも共演。テレビドラマやテレビCMの出演多数。特技は日本舞踊と三味線。2010年10月は新橋演舞場 『盛綱陣屋』で大役の小四郎を演じた。
テアトルアカデミーオフィシャルサイト  http://www.theatre.co.jp/

2010年11月は新橋演舞場 吉例顔見世大歌舞伎 昼の部『天衣紛上野初花』序幕に丁稚長松で出演(ダブルキャスト)。