「花道」があるのをはじめ、独特の構造をしている歌舞伎の舞台。歌舞伎座の舞台を例に、ご説明します。
代表的なものは黒・柿・萌葱色の「定式幕(じょうしきまく)」でしょう。ほかに、水色の「浅葱幕(あさぎまく)」や黒一色の「黒幕(くろまく)」、山や波、遠くの田園風景など背景が描かれた「道具幕(どうぐまく)」、死骸を片付けるときに使う「消し幕(けしまく)」、演奏者を隠す「霞幕(かすみまく)」などさまざまです。
上手(かみて)にも花道(仮花道=かりはなみち)をつくり、両方の花道を堤に、その間の客席を川に見立てたり、花道の上を3階席まで飛び去っていく「宙乗り」など、花道を使ったさまざまな演出があります。