松本幸四郎さんが子供だった頃、歌舞伎座は銀座ならではの賑わいに包まれていたそうです。
「寿司職人が桶を持って来て楽屋で握っていた光景を憶えています。和菓子屋さんがおはぎを作って売りに来たりもしていました。たくさんの商店や飲食店がある銀座ならではの空気が劇場にも楽屋にも満ちていましたね。今のように女性スタッフも多くなくて、床山から衣裳から楽屋は男性ばかりでした。時代は昭和、平成と移り変わりましたが、江戸前の活気を感じる場所です」
生まれ変わる歌舞伎座。その未来に幸四郎さんは歌舞伎の未来を重ねます。
「劇場が新しくなっても、我々は最高の歌舞伎を演じ続けるだけです。時代を超えて変わらぬ日本人の心を表現し続けてきたのが歌舞伎ですから、今を生きる自分たちが作り出せる最高の感動を常に届けたいと思っています」