みどころ



巡業

平成二十年度

大阪市民歌舞伎

歌舞伎・その美と歴史への招待

平成20年6月21日(土)


一、歌舞伎へのご案内

 「歌舞伎を見に行きたいけど、歌舞伎について何も知らないとちょっと不安...」そんな人のために、見どころ、音楽、歴史など歌舞伎のイロハを楽しく、分かりやすく解説し体験していただく、歌舞伎入門です。より一層歌舞伎を身近に感じて戴けることでしょう。


二、平家女護島 俊寛(しゅんかん)

 僧俊寛は平家打倒を謀りますが、裏切りでその密議が清盛に洩れ丹波少将成経、平判官康頼とともに南海の孤島、鬼界ヶ島(喜界ヶ島)に流されます。やがて高倉天皇の后となった清盛の娘徳子が懐妊し、安産祈願のための恩赦が行われ流人赦免の使いが島にやって来ます。これら『平家物語』や能の『俊寛』を素材に近松門左衛門が人形浄瑠璃『平家女護島』を脚色し、享保四年(一七一九)八月、大坂・竹本座で初演されました。鬼界ヶ島の場面はその二段目にあたります。
 この作品は謡曲『俊寛』をもとにしていますが、丹波少将成経と海女千鳥の恋を創作して場面を彩り、俊寛の性格にも硬軟両面を与え、起伏に富んだ筋に近松門左衛門が仕立てました。特に若い成経と千鳥のために、俊寛は上使の瀬尾太郎を殺した罪を背負って島に残りますが、英雄的な強さを持っていてもやはり凡夫心を捨てきれず、船の去った後でも名残りを惜しむ俊寛の人間性が観客の心に迫ります。また徹底的な悪人として登場する瀬尾にも特色があり、俊寛との壮絶な死闘も見応えがあります。
 南海の孤島を表現した舞台装置にも優れ、俊寛が一人取り残されて遠ざかっていく船影を追う最後の場面で岩を廻し浪布を活用した巧みな海の表現法は、より主人公の孤独感を強調させる歌舞伎ならではの演出の妙味です。

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