みどころ



巡業

平成20年度

(社)全国公立文化施設協会主催

東コース

松竹大歌舞伎

平成20年6月30日(月)~7月31日(木)


一、操り三番叟(あやつりさんばそう)

 「三番叟」と書かれた箱の中から、後見(こうけん)が、三番叟(さんばそう)の操り人形を取り出し、手足に糸を結びます。糸を上に引き上げると、人形はまるで命が吹き込まれたように動き、五穀豊穣、豊年満作を祈る目出度い三番叟の舞を舞い始めます。  しかし踊りが激しくなるうちに手足の糸が絡んで人形はぐるぐる回り始め、とうとう動かなくなってしまいました...。

 踊りにも定評のある亀治郎が、亀鶴扮する後見と息を合わせ、三番叟を溌剌と踊ります。
 糸で操られる人形は当然人間のようには動けません。その不自由な動きをまねて踊るのが眼目の作品ですが、あえて不自由に動くには技術が求められることは言うまでもありません。
 絡んだ糸が切れて後見が結び直したりなど、まるで見えない糸がそこにあるかのように思えてくる、楽しさあふれる華やかな舞踊です。


二、御目見得 口上(こうじょう)

 荘重なお囃子とともに幕が開くと、色とりどりの裃に威儀を正した俳優たちが平伏しています。俳優たちの着ている裃はそれぞれの家によって色が決まっているのです。
 東西東西という声がかかり、顔を上げた俳優たちから、順番にご当地のお客様にお目見得のご挨拶を申し上げます。

 口上というのは、俳優が舞台から客席にむかって挨拶をすることで、客席との交流を大事にする歌舞伎独特のしきたりです。
 今回はご当地の皆様方に、お目にかかった喜びを申し上げる御目見得口上の一幕をお楽しみいただきます。
ご贔屓の俳優の、舞台姿とは違う一面が伺えると好評の、和やかな中にも古式ゆかしい一幕です。


三、弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)

 鎌倉の呉服屋浜松屋に、美しい武家娘と供の若侍がやってきました。ところが娘が万引きをしたと思いこんだ番頭は、娘をそろばんで叩き、顔に傷をつけてしまいます。
 ところが万引きは濡れ衣。浜松屋の主人、幸兵衛(こうべえ)も出てきて詫びますが、若侍は店の者を斬ると言って聞きません。
 そこへ侍が現れ、娘に向かい、意外なことを言い出しました...。(浜松屋店先の場)
 桜の咲き乱れる稲瀬川。白浪五人男と名も高く、義賊ともてはやされている、五人の盗賊が現れます。待ち伏せをしていた捕り手を前に、頭領の日本駄右衛門(にっぽんだえもん)はじめ、弁天小僧菊之助(べんてんこぞうきくのすけ)・忠信利平(ただのぶりへい)・赤星十三郎(あかぼしじゅうざぶろう)・南郷力丸(なんごうりきまる)はそれぞれ名乗りをあげるのでした。(稲瀬川勢揃いの場)

 浜松屋の場の「知らざあ言って聞かせやしょう」という名台詞はもちろんのこと、洗練され練り上げられた演出は歌舞伎の面白さ、楽しさにあふれています。
 また、稲瀬川は短い幕ですが、勢揃いした五人男の名乗りのツラネの台詞、衣裳の柄、陰で伴奏している音楽などが、すべて五人男に合わせて変えられており、幕開きから幕切れまですべてが見所聞き所です。
 歌舞伎をよくご覧になる方はもちろんのこと、初めて見る方にも必ずやお楽しみいただける一幕です。
 弁天小僧をつとめるのは亀治郎亀鶴の南郷力丸、巳之助の赤星十三郎、桂三の忠信利平に加え、竹三郎が浜松屋幸兵衛で舞台を引きしめます。
 また、日本駄右衛門には段四郎が扮し、五人男の頭領にふさわしい貫録を見せます。 
 一座が総出演でつとめる舞台にどうぞご期待ください。

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