十二月大歌舞伎


上演時間(幕見料金)

昼の部
幕見料金幕見席発売開始時間
やえぎりくるわばなし

八重桐廓噺 嫗山姥

上演時間 11:00-12:12
800円10:30-
幕間   30分
しのびよるこいはくせもの

忍夜恋曲者 将門

上演時間 12:42-1:29
600円12:20-
幕間   20分
しばはまのかわざいふ

芝浜革財布

上演時間 1:49-2:48
1,100円1:35-
幕間   20分
きおいじし

勢獅子

上演時間 3:08-3:38
夜の部
 幕見料金幕見席発売開始時間
しんれいやぐちのわたし

神霊矢口渡

上演時間 4:30-5:40
700円4:00-
幕間   30分
でばうちおたま

出刃打お玉 序幕

上演時間 6:10-6:45
900円 5:50-
幕間   10分
でばうちおたま

出刃打お玉 大詰

上演時間 6:55-7:20
幕間   20分
もみじがり

紅葉狩

上演時間 7:40-8:45
900円7:30-

演目と配役

昼の部



一、八重桐廓噺(やえぎりくるわばなし)


  嫗山姥


          荻野屋八重桐  菊之助
              白菊  萬次郎
            太田十郎  亀 蔵
             沢瀉姫  松 也
            腰元お歌  市 蔵
 煙草屋源七 実は 坂田蔵人時行  團 蔵


二、忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの)


  将門


    傾城如月 実は 滝夜叉姫  時 蔵
          大宅太郎光圀  松 緑


三、芝浜革財布(しばはまのかわざいふ)


             政五郎  菊五郎
           女房おたつ  魁 春
           金貸おかね  東 蔵
            錺屋金太  権十郎
           桶屋吉五郎  亀 蔵
           大工勘太郎  團 蔵
            左官梅吉  彦三郎
           大家長兵衛  田之助


四、勢獅子(きおいじし)


            鳶頭鶴吉  梅 玉
            鳶頭亀吉  松 緑
             鳶の者  松 江
             同    亀三郎
             同    松 也
            芸者お京  雀右衛門


夜の部



一、神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)


             頓兵衛  富十郎
            新田義峯  友右衛門
             うてな  松 也
              六蔵  團 蔵
              お舟  菊之助


二、江戸女草紙 出刃打お玉(でばうちおたま)


              お玉  菊五郎
             おろく  時 蔵
         どんでんの新助  友右衛門
             おかね  萬次郎
           三井平之助  権十郎
             僧宗円  亀三郎
             おふさ  松 也
           茶屋女お金  歌 江
          居酒屋甚五郎  市 蔵
          桔梗屋伊兵衛  右之助
          近江屋与兵衛  家 橘
            森藤十郎  團 蔵
            広円和尚  田之助
            増田正蔵  梅 玉


三、新歌舞伎十八番の内 紅葉狩(もみじがり)


   更科姫 実は 戸隠山の鬼女  海老蔵
              山神  尾上右近
            侍女野菊  市川ぼたん
            腰元岩橋  亀 蔵
           従者左源太  亀三郎
           従者右源太  市 蔵
             局田毎  門之助
             平維茂  松 緑

みどころ

昼の部

八重桐廓噺(やえぎりくるわばなし)
  嫗山姥

 以前は傾城、今は傾城の恋文の代筆をして歩く八重桐(菊之助)は、大納言岩倉兼冬の館の前で、姿を消した夫の坂田蔵人時行(團蔵)と自分しか知らないはずの聞き慣れた歌を耳にします。館に入った八重桐は、兼冬の娘の沢瀉姫を囲む人々の中に、煙草売りに身をやつした時行を発見。乞われるままに、自分を棄てた時行への複雑な想いを込めて、その境遇を立て板に水のごとく語り始めます。別名「しゃべり」と呼ばれる女方のひとり語りが眼目の一幕。後に坂田金時を身ごもることにもなる強き女八重桐役に、菊之助が初めて挑みます。

忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの)
  将門

 朝廷に反旗を翻し、滅んでいった平将門。その古御所に蝦蟇の妖術を使う妖怪が出没すると聞き、大宅太郎光圀(松緑)が征伐にやって来ます。現れたのは、島原の傾城如月と名乗る妖艶な美女(時蔵)。光圀に気づかれ、実は平将門の遺児滝夜叉姫と本性を顕すと、大蝦蟇を従えて光圀に抵抗します。薄暗い廃墟に、豪奢な遊女と大蝦蟇。妖しい耽美の世界が展開します。

芝浜革財布(しばはまのかわざいふ)

 大酒飲みで怠け癖のある魚屋の政五郎(菊五郎)は、芝浜海岸で大金入りの革財布を拾います。早速、左官の梅吉(彦三郎)ら仲間を集めて大酒盛り。が、一晩寝て目覚めると、女房のおたつ(魁春)は、夢でも見たのだろうと取り合わず、借金の返済催促に来たおかね(東蔵)も無駄足に。反省した政五郎は、一念発起して断酒。まじめに働き出して三年の月日が流れます。政五郎を思いやるおたつと、その事情を知った大家の長兵衛(田之助)による英断が、夫婦に幸をもたらすという、三遊亭円朝の人情噺の舞台化。当たり役の菊五郎の政五郎が、笑って泣かせます。

勢獅子(きおいじし)

 ここは赤坂の日枝神社。山王祭に顔を見せた芸者お京(雀右衛門)と鳶頭鶴吉(梅玉)や亀吉(松緑)たちが、ほろ酔い加減で賑やかに踊ります。さまざまな江戸っ子の風俗が楽しい、晴れやかな常磐津舞踊です。



夜の部

神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)

 六郷川の矢口の渡し。渡し守の頓兵衛(富十郎)は、先の足利と新田の争いで、褒美の金欲しさに足利方の手先となり、新田義興の溺死に加担した強欲者です。この家に、義興の弟の義峯(友右衛門)が、愛妻の傾城うてなを伴って訪れます。頓兵衛の娘で、父とは似ても似つかぬ気立てのいいお舟(菊之助)は、気品ある義峯にひと目惚れ。連れの女性は妹と聞き、積極的に義峯に迫ります。しかし義峯を新田の落人と知った頓兵衛は、再び金目当てに、床下から義峯を狙います。手応えを感じた頓兵衛が刀の先を見ると、そこには苦しむ娘の姿が。お舟は自ら義峯の身替わりとなり、彼らを逃がしたのです。平賀源内が福内鬼外のペンネームで書いた浄瑠璃で、『義経千本桜』の「すし屋」の趣向を採り入れるなど、見せ場に富む作品。菊之助のお舟は初役、富十郎の頓兵衛は三十六年ぶりという、見逃せない一幕です。


江戸女草紙 出刃打お玉(でばうちおたま)

 かつて出刃打ちという曲芸で評判を取ったお玉菊五郎)は、今は谷中の岡場所で、隠れ遊びに通う老僧侶の広円和尚(田之助)などを相手に、客を取る日々を送っています。ある日、敵討ちを前に緊張の面持ちで訪れた武士の増田正蔵(梅玉)に心打たれたお玉は、正蔵の仇討ちを、出刃打ちの技で手助けし、ひっそりとその場を去ります。その二十八年後、おろく(時蔵)の営む出合い茶屋で、ふたりは再会を果たしますが......。池波正太郎が、故・尾上梅幸の求めに応じて書いた、気っぷのいい、男勝りの女の話。梅幸の長男の菊五郎にとっても、適役となるでしょう。

新歌舞伎十八番の内 紅葉狩(もみじがり)

 紅葉が美しい戸隠山。平維茂(松緑)が、従者を伴いやって来ると、ひと足先に酒宴を催している一行の姿が目に留まります。その主である更科姫(海老蔵)直々に誘いを受けた維茂は、酒宴にまじわるうちに、まどろんでしまいます。寝込む維茂のもとに山神が現れ、更科姫は実は人食い鬼であると警告して去ります。目覚めた維茂は、鬼女の正体を顕した更科姫に立ち向かい、松の大木の上まで追いつめます。静かな女性の舞いから荒れ狂う鬼女へ。大役に挑む海老蔵、受けて立つ松緑ともに、初役でつとめます。