歌舞伎座
歌舞伎座特別舞踊公演
平成19年9月27日(木)
一、三升猿曲舞(しかくばしらさるのくせまい)
此下兵吉(木下藤吉郎)が、小田春永(織田信長)の御前で武芸の腕前を試され、奴を相手に立廻りを見せます。木下藤吉郎の顔が猿に似ているといわれた巷説を踏まえたのが、題名の『三升猿曲舞』です。猿にかかわる言葉が詞章に盛り込まれており、槍を使っての華やかな所作ダテが見どころ。松緑が此下兵吉を踊ります。
二、高尾(たかお)
吉原を代表する三浦屋抱えの傾城高尾太夫。その高尾の亡霊が、みずからの塚の前に姿をあらわし、廓勤めの辛さを嘆いたあと、四季折々の廓の情景や地獄の責苦を語ります。もともと長唄で初演された踊りで、明治時代に荻江に移されたといわれます。繊細な節回しの荻江節にのせて、雀右衛門が高尾を踊る幽艶な舞踊です。
三、うかれ坊主(うかれぼうず)
手桶を提げてやってきたのは、いが栗頭の願人坊主。チョボクレの祭文で身の上を面白おかしく語ったあと、さまざまな人物を踊り分けるまぜこぜ踊りや、「悪」と書いた面をつけて悪玉踊りを見せます。薄物の衣一枚という扮装で踊る清元舞踊。富十郎が当たり役の願人坊主を軽妙に踊ります。
四、雪(ゆき)
地唄舞を代表する曲。恋に破れて尼となった大阪・南地の芸妓そせきが、冬の夜に恋人をずっと待ち続けた昔を静かに回想します。かつての恋の思いの深さと、髪を下ろした今の寂しさが、少ない動きの中に見事に表現されます。小道具は傘一本で、白い衣裳が印象的。玉三郎が踊る静謐な一幕です。
五、鷺娘(さぎむすめ)
一面の銀世界。水辺にたたずんでいた娘姿の鷺の精が、恋に悩む女心や、恋心を踊ります。いつしか娘は白鷺の姿となり、恋ゆえに落ちた地獄の責めに苛まれ、その場に倒れ伏すのでした。『鷺娘』は、白無垢姿の出から、衣裳の引き抜きなど、視覚的にも変化に富む長唄舞踊。玉三郎が当たり役の鷺の精を踊ります。
