歌舞伎座
歌舞伎座さよなら公演
六月大歌舞伎
平成21年6月3日(水)~27日(土)
昼の部
一、正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)
曽我五郎時致(松緑)は、父の仇である工藤祐経の館へ向かおうとします。これを止めたのは、小林朝比奈の妹舞鶴(魁春)。女ながら大力無双の舞鶴は、五郎の持つ鎧の草摺を持って引き止め、その行く手を阻むのでした。引き合い事を取り入れた長唄の名作舞踊を上演します。
二、双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)
関取の濡髪長五郎(幸四郎)と、素人角力出身の放駒長吉(吉右衛門)の大一番で盛り上がる角力小屋前。濡髪を贔屓する山崎屋与五郎(染五郎)は、恋仲の藤屋吾妻(芝雀)と逢い引きをしますが、今日の勝負が気がかりで、吾妻を仲居のおまつ(宗之助)、おすず(歌江)、おたけ(吉之丞)に命じて廓へ向かわせます。やがて勝負が始まり、濡髪に土がつきます。放駒贔屓の平岡郷左衛門(由次郎)と三原有右衛門(桂三)は、放駒を褒め称え、郷左衛門が思いを寄せる吾妻の身請けを手助けして欲しいと頼みます。一方の濡髪は茶亭の金平(錦吾)に頼んで、放駒をその場へ呼び戻すと、意外な言葉を打ち明けていき......。
濡髪と放駒の達引が見どころの作品を、豪華配役でご覧頂きます。
三、蝶の道行(ちょうのみちゆき)
春の野辺に助国(梅玉)と小槇(福助)が姿を現します。この世で結ばれることのなかったふたりは、蝶の姿となって戯れ遊びますが、地獄の責めに遭い、その羽ばたきを止めるのでした。助国、小槇の悲恋を主題とした義太夫舞踊をお楽しみ下さい。
四、女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)
河内屋の放蕩息子与兵衛(仁左衛門)は、馴染みの芸者小菊(秀太郎)の客に喧嘩を売ろうと、善兵衛(右之助)や弥五郎(市蔵)と共に待ち構えています。一方、豊嶋屋のお吉(孝太郎)は、娘のお光(千之助)とその場に居合わせ、与兵衛に意見します。やがて喧嘩が始まり、与兵衛は侍の小栗八弥(新悟)に無礼を働きます。与兵衛の叔父山本森右衛門(彌十郎)は、甥を成敗しようとしますが、八弥がこれを止めます。そしてお吉が、与兵衛の衣服の乱れを直すところ、夫の七左衛門(梅玉)がやって来て、妻の振る舞いをたしなめるのでした。その後、与兵衛の行状が継父の徳兵衛(歌六)や兄の太兵衛(友右衛門)にも知られてしまいます。しかし当の与兵衛は妹のおかち(梅枝)を利用しての悪巧みを思い付き、これが失敗に終わると、その腹いせに継父と妹を足蹴にします。そこへ母のおさわ(秀太郎)が現われ、与兵衛を叱って家から追い出します。その日の夜、金が入用となった与兵衛は、お吉を頼ろうと...。
片岡仁左衛門が当り役のひとつ河内屋与兵衛を一世一代で勤める注目の舞台です。
夜の部
一、門出祝寿連獅子(かどんでいおうことぶきれんじし)
大名(梅玉)のもとへ、左近(幸四郎)が妻(魁春)と、子息の右近(染五郎)、その妻(福助)、さらに孫の童(金太郎)を連れて現われます。そして左近一家は、村の長(吉右衛門)や、里の女(芝雀)や男(松緑)と、天竺清涼山で新たな獅子が誕生した吉祥を喜びあいます。一方、天竺清涼山で修行僧(友右衛門)が樵人(高麗蔵)と獅子について語りあうところ、親獅子(幸四郎)、仔獅子(染五郎)、孫獅子(金太郎)と三代の獅子の精が現われ、華やかに舞い遊ぶのでした。松本金太郎初舞台を寿ぐ新作舞踊を上演する、話題の一幕です。
二、極付幡随長兵衛(ばんずいちょうべえ)
坂田公平(歌昇)が御台柏の前(福助)、伊予守頼義(児太郎)の御前で、慢容上人(家橘)に法問を挑む芝居が上演されている村山座。町奴の幡随院長兵衛(吉右衛門)は、旗本奴の水野十郎左衛門(仁左衛門)の家臣坂田金左衛門(由次郎)が騒ぐのでこれを打ち据えます。十郎左衛門と渡辺綱九郎(友右衛門)が長兵衛を呼び止めると、長兵衛の子分の極楽十三(染五郎)、雷重五郎(松緑)、神田弥吉(松江)が駆け出し、一触即発となりますが、長兵衛がその場を収めます。やがて十郎左衛門は長兵衛を宴に招きますが、弟分の唐犬権兵衛(梅玉)や、出尻清兵衛(歌六)などの子分(男女蔵・亀寿・亀鶴・種太郎)たちは何かの策略だと言い、その行く手を阻みます。しかし長兵衛は、女房のお時(芝翫)、一子長松(玉太郎)たちに別れを告げて、水野のもとへ向かいます。その長兵衛を十郎左衛門と近藤登之助(東蔵)が出迎えますが...。
町奴と旗本奴の姿を生き生きと描いた黙阿弥の名作をお楽しみ下さい。
三、梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)
髪結新三(幸四郎)は名うての悪党で、白子屋の手代忠七(福助)に何かそそのかしています。白子屋では後家のお常(家橘)が娘のお熊(高麗蔵)の縁談を取りまとめ、加賀屋藤兵衛(彦三郎)が結納を持参したにもかかわらず、お熊は縁談を了承しません。実はお熊と忠七は恋仲で、車力の善八(錦吾)とその妹のお菊(宗之助)がお熊をなだめます。こうした事情を知る新三は、忠七を騙してお熊を誘拐します。これを新三が下剃の勝奴(染五郎)と喜ぶところ、顔役の弥太五郎源七(歌六)がお熊を取り戻しにやって来ますが、新三は源七を追い払います。そこで家主の女房おかく(萬次郎)は、お熊を連れ戻す役に夫の長兵衛(彌十郎)を勧め...。
季節感溢れる黙阿弥の代表作を、華やかな顔ぶれで上演します。






