みどころ



京都四條南座

京の年中行事

當る亥歳 吉例顔見世興行

東西合同大歌舞伎

十八代目中村勘三郎襲名披露

平成18年11月30日(木)~12月26日(火)


昼の部

第一 猿若江戸の初櫓(さるわかえどのはつやぐら)

 この作品は、初世勘三郎が奉行・板倉勝重の知遇を得て、日本橋中橋に芝居小屋の櫓を上げるまでをフィクションを加えて描いており、勘三郎襲名披露に相応しい一幕です。
 "かぶき踊り"の出雲の阿国と猿若が江戸へやって来ると、将軍家への献上物を運べず材木商・福富屋が思案に暮れています。すると猿若は得意の音頭で曵かせ始めて・・・。勘太郎猿若七之助の阿国、弥十郎の勝重、愛之助の福富屋、吉弥の福富屋女房。

第ニ 寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)

 江戸歌舞伎では初春に曽我狂言を上演する慣わしがありました。荒人神として祭られた曽我兄弟の劇を上演することで悪霊払いをし、一年の平安を祈ったのです。
 工藤左衛門祐経の館で祝宴が開かれ、その席で舞鶴は、工藤に若者二人の目通りを願い出ます。入って来たのは、曽我十郎と五郎の兄弟。二人は父親の敵である工藤と積年の対面を果たしに来たのでした‥。我當の工藤、秀太郎の舞鶴、翫雀の十郎、橋之助の五郎、扇雀の大磯の虎、孝太郎の化粧坂少将、進之介の鬼王、亀鶴の小藤太、薪車の八幡。

第三 義経千本桜

  道行初音旅(みちゆきはつねのたび)

 昼の部の十八代目中村勘三郎襲名披露狂言の一つです。『道行初音旅』は『義経千本桜』の四段目に当たり、静御前が忠信を供にした道中を綴っています。
 季節は春、吉野山中に義経が身を隠していると耳にした愛妾・静御前は、供の忠信とはるばるやって来ました。休息をとる二人は、ともに義経から賜った"着長の鎧"と"初音の鼓"を義経の姿と見立てて恋い慕います。勘三郎の忠信に藤十郎の静御前という顔見世らしい大顔合せです。

第四 義経千本桜

  川連法眼館(かわつらほうげんやかた)

 昼の部の十八代目中村勘三郎襲名披露狂言の一つです。『川連法眼館』は『義経千本桜』の四段目に当たり、佐藤忠信が実は狐の化身であったという構成です。
 兄・源頼朝と不仲になった義経が匿われている館。そこへ家臣・佐藤忠信が入来する。義経の前へとやってくると不思議なことが‥。独特の台詞術や、早変わり・欄干渡りなど、ケレンでも魅せる義太夫歌舞伎の名作の一つです。勘三郎の忠信、仁左衛門の義経、翫雀の駿河、橋之助の亀井、勘太郎の静と注目の大顔合せです。

第五 お染久松 (おそめひさまつ うきねのともどり)

 浅草瓦町の質見世・油屋のお染と、あとを追ってきた丁稚の久松。恋仲のふたりでしたが、お染に縁談話が持ち上がり、これを嫌って飛び出してきたのです。そこへやってきたのは女猿曳。二人をみつけ巷で噂のお染久松であろうと推量し、歌祭文に事を寄せてふたりに意見をし始めます。芝翫の女猿曳お梅、橋之助の久松、七之助のお染。


夜の部

第一 平家女護島

  俊寛(しゅんかん)

 平家討伐を企てた罪で、俊寛僧都、丹波少将成経、平判官康頼は鬼界ヶ島に流刑となり三年の歳月が流れました。成経と海女の千鳥が祝言をあげることとなり、ささやかな宴の最中、都からの赦免船が到着します。そこには各々の人生ドラマが待ちうけていました。

 古典の名作で俊寛は仁左衛門の当り役の一つです。廻り舞台や浪布などを効果的に用い、演出の面でも歌舞伎味が存分に味わえる作品です。

 仁左衛門の俊寛、我當の丹左衛門、秀太郎の成経、段四郎の瀬尾、孝太郎の千鳥、愛之助の康頼という大顔合せです。


第二 十八代目中村勘三郎襲名披露

  口上(こうじょう)

 幹部俳優が舞台上に居並び、観客に向け十八代目中村勘三郎の襲名を祝う言葉を一人ずつ述べていく、襲名披露公演を寿ぐ一幕。襲名披露の掉尾を飾る口上に注目が集まります。

第三 京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)

  道行より押戻しまで

 夜の部の十八代目中村勘三郎襲名披露の狂言です。歌舞伎舞踊の大作で、能の『道成寺』を素材にしています。歌舞伎では安珍清姫伝説を踏まえながら、美しい女方が次々に衣裳を変え、様々な女心を踊り分ける華やかな構成となっており、今回は珍しい「押戻し」の件りまでを上演いたします。勘三郎の花子に我當の大館左馬五郎という顔見世ならでの顔合せです。

第四 雁のたより(かりのたより)

 前野左司馬は放蕩三昧の揚句に、新町の遊女・司を身請けののち側室とし、今は有馬温泉へ湯治に来ていますが、司は髪結の三二五郎七に思いを寄せます。これに嫉妬した左司馬は側近たちと偽の恋文で三二五郎七を呼び出し...。

 上方狂言の代表作の一つ。随所に上方らしさを味わうことができ、和事の中でも"おかしみ"を重視しています。藤十郎の三二五郎七、秀太郎のお玉、段四郎の治郎太夫、翫雀の金之助、扇雀の司、愛之助の前野左司馬、竹三郎のお光、亀鶴の安。

第五 乗合船恵方萬歳(のりあいぶねえほうまんざい)

 元来、正月興行に合わせた作品のため、初春の宝船に乗り込んだ七福神に見立てた趣向で、万歳と才造を中心に、隅田川の渡し舟に乗り合わせた人物たちが、自己紹介を兼ねた芸尽くしを見せる賑やかな舞踊であり、顔見世らしい作品です。翫雀の万歳、橋之助の才造、扇雀の白酒売、弥十郎の田舎侍、進之介の門礼者、孝太郎の女船頭、愛之助の大工、勘太郎の通人、七之助の芸者、鶴松の子守。


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