みどころ



京都四條南座

坂東玉三郎特別舞踊公演

平成19年5月9日(水)~23日(水)


阿国歌舞伎夢華(おくにかぶきゆめのはなやぎ)

 長い戦国の世が終わり、信長・秀吉による天下統一がなされた頃――都には、派手で奇抜な装いをして平和を謳歌する「かぶき者」とよばれる若者があふれ、あちこちで、熱狂的に踊り戯れる人々の姿が見られました。そうした時代の風俗をいち早く取り入れて、「かぶき踊り」という新しい芸能を生み出した出雲の阿国。歌舞伎の始祖とされる女性です。

 阿国の経歴には、伝説化された部分が多く、美男のかぶき者、名古屋山三と恋仲だったという話もその一つ。阿国が、鎮魂の思いをこめた「念仏踊り」を演じていると、今は亡き山三の亡霊が客席から現われ、「かぶき踊り」をともに踊って在りし日を回想するという、物語仕立ての絵巻や絵本も残されています。

 『阿国歌舞伎夢華』は、そうした伝説や絵画をもとに、女歌舞伎一座の踊りや、阿国と山三の恋を描いた、華やかで夢幻的な構成の舞踊劇です。平成十六年十二月、東京・歌舞伎座で初演されました。

蜘蛛の拍子舞(くものひょうしまい)

 江戸時代は、毎年十一月に各座の出演者が入れ替わり、向う一年間の座組を披露する「顔見世狂言」が上演されました。よく知られた歴史説話が題材に使われましたが、平安時代の武将・源頼光とその四天王(勇敢な家臣たち)による妖怪退治の物語は、とりわけ好まれた題材でした。『蜘蛛の拍子舞』は、天明元年(一七八一)の中村座の顔見世狂言『四天王宿直着綿(してんのうとのいのきせわた)』のなかの一幕として初演されたもの。葛城山の女郎蜘蛛の精が、美しい白拍子(舞子)妻菊の姿で頼光たちに近づき、後に正体を顕すという内容で、女形の美と妖気が存分に発揮される、歌舞伎味に溢れた舞踊劇です。

  また、題名にある「拍子舞」というのは、役者が拍子に乗って歌うようにセリフを言いながら踊るという、楽しい技法で、前半の妻菊、頼光、碓井貞光の三人の踊りでは、これが大きな見せ場になっています。

 玉三郎は、平成十年、東京・歌舞伎座でこれを初演。今回は待望の再演となります。

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