みどころ



京都四條南座

九月大歌舞伎 訪欧凱旋公演

通し狂言 義経千本桜

市川海老蔵 忠信・知盛・権太三役相勤め申し候

平成22年9月2日(木)~27日(月)


【鳥居前】

 兄源頼朝に謀反の疑いをかけられた義経は、都落ちを余儀なくされ西国へと向かい、伏見稲荷に辿り着きます。ここへ、義経を追って来た愛妾静御前と武蔵坊弁慶がやって来ますが、静御前は同行を許されず、義経から"初音の鼓"を渡され、一人残されます。そこへ鎌倉方の追手の早見藤太が現れ、静御前を引っ立てようとするところ、佐藤忠信が駆けつけ、静御前を助けます。この働きを見ていた義経は忠信を褒め称え、源九郎義経の名前と鎧を与え、静御前の守護を命じるのでした。

【渡海屋・大物浦】

 摂津国大物浦の船問屋の渡海屋に先頃から兄頼朝に追われ都を落ちた義経主従が逗留して、大物浦から海路で九州を目指しています。そこへ鎌倉方の追手の相模五郎と入江丹蔵が現れ、船を出すよう迫りますが、渡海屋の女房お柳に断られ、掴みかかろうとすると、現れた主の渡海屋銀平に追い返されます。出船の時刻となり源義経は家臣と共に渡海屋を後にすると、鎧姿の銀平が現れます。実は銀平は平家の武将平知盛、妻のお柳は安徳帝の乳人典侍の局でした。二人は帝を娘のお安と偽ってこの地で育て、源氏に復讐する機会を窺っていたのでした。知盛は義経を討ち取ろうと出陣しますが、大物浦で義経方に敗北。安徳帝を守護するという義経の言葉を聞いた局は自害し、知盛も体に碇を巻きつけ壮絶な最期を遂げるのでした。

【道行初音旅】

 季節は春、吉野山には桜が咲き乱れています。この山中に義経が身を隠していると耳にした愛妾静御前は、供の忠信とはるばるやって来ます。
 休息をとる二人は、ともに義経から賜った"着長の鎧"と"初音の鼓"を義経の姿と見立てて恋い慕い、義経の御前という心持ちで、忠信は身振りを交えて屋島での戦いの思い出を語り始めます。そして、その戦で命を落とした忠信の兄・継信を悼み、ともに涙するのでした。
 気持ちを新たにした二人は、一刻も早く義経のもとへ向かおうと吉野山の奥深くへと分け入って行くのでした。

【木の実・小金吾討死】

 没落した平家の三位中将維盛の御台若葉内侍は若君の六代の君とともに、高野山に入山したと伝え聞く、夫の維盛を訪ねる旅の途中です。二人を守るのは忠臣の小金吾。若君の為小金吾が椎の実を拾っていると、鮓屋弥左衛門の伜で札付きのワル、いがみの権太がやって来ます。権太は三人に目をつけると、金を騙し取ります。やがて追手が迫り、小金吾は奮戦虚しく討死します。内侍たちは落ち延び、その後通りかかった弥左衛門が、小金吾の首を落として持ち帰るのでした。

【すし屋】

 すし屋を営む弥左衛門は平重盛への旧恩から、その子息の維盛を使用人の弥助として匿っています。弥助に恋していたこの家の娘のお里は、ある晩、一夜の宿を借りようと訪ねてきた親子が維盛の御台若葉の内侍と、一子六代である真実を知り、三人を逃がします。
 一方、権太は父の思いを裏切り、維盛詮議に来た梶原景時に、維盛の首と縄にかけた内侍親子を突き出します。怒った弥左衛門が思わず権太を刺しますが、実は維盛の首は小金吾の首、内侍親子は権太の妻子と告白。親と古主のために権太が打った大芝居だったのでした。

【川連法眼館・蔵王堂】

 義経は川連法眼の館に匿われています。そこへ忠信の入来が告げられ、義経の前へとやって来ます。すると再び入来が告げられ、静御前と忠信だといいます。道中にて"初音の鼓"を打つと現われた忠信を不審に思い、供の忠信を静御前が詮議します。やがて鼓を打つと忠信が姿を現し、静御前は隙をついて斬りかかれば、忠信は突然うち萎れた様子となります。実は伏見から静御前を守護してきたのは初音の鼓に用いられた狐の子でした。親狐を慕う心情に感じ入った義経は狐に鼓を与えることとします。
 吉野の山は、今が桜のまっさかり。忠信は蔵王堂にて兄の敵教経と対峙し立ち廻りとなります。しかし教経も返り討ちとばかり討ち返しますが、忠信は源九郎狐の神通力にも助けられ、さらに討ち込みます。そこへ義経が、安徳帝を伴い、静御前、弁慶、四天王を従えて来て忠信を留めます。そして安徳帝の供で教経は小原の里へ、義経は奥州へ、静御前は忠信を供に大和の源九郎狐の里へと、別々の道を歩んで行くのでした。

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