みどころ



大阪松竹座

大阪松竹座 新築開場十周年記念

壽 初春大歌舞伎

平成19年1月2日(火)~26日(金)


昼の部

一、彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)

  毛谷村(けやむら)

 吉岡一味斎の弟子、毛谷村の六助は、微塵弾正の「親孝行をしたい」という願いを聞き入れ、剣術の試合にわざと敗れます。ところがその後、一味斎の娘お園が現れ、自分が六助の許嫁であること、一味斎が京極内匠に暗殺されたことを語ります。実は微塵弾正こそ一味斎の仇である京極内匠と知った六助は、仇討ちへと旅立つのでした。
 朴訥でありながら武道の達人の勇壮さを兼ね備えた六助に翫雀、女武道の強さと初々しい娘の恥じらいを見せるお園に扇雀。義太夫狂言らしい三味線の音に乗った演技が見どころです。

二、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)

 源義経の一行は、兄頼朝の追手から逃れるため、義経は強力に、弁慶と家来達は山伏に姿を変えていますが、安宅の関で富樫左衛門の詮議を受けます。富樫は、彼らが義経一行であることを知りながらも、弁慶の主を思う気持ちに打たれ、関所の通行を許すのでした。
 歌舞伎の中でも最も人気の高い演目で、團十郎の弁慶、海老蔵の富樫に、藤十郎の義経という顔合わせで御覧に入れます。弁慶による数々の見得、飛び六方の引っ込みなど、荒事の要素が存分に味わえる、成田屋の家の芸である歌舞伎十八番のひとつです。

三、恋飛脚大和往来(こいびきゃくやまとおうらい)

  玩辞楼十二曲の内 封印切(ふういんきり)

 大坂の飛脚問屋、亀屋の養子忠兵衛は、新町の遊女梅川と深い仲。身請けをしようとするものの、必要な三百両のうち手付けの五十両しか払えません。梅川に会いたい一心でやってきた忠兵衛は、恋敵の八右衛門の悪口雑言に耐えきれず、ついには大罪と知りながらも、大切な店の御用金の封印を切ってしまいます。そのお金で梅川を身請けした忠兵衛は、梅川とともに死出の旅へと向かうのでした。
 近松門左衛門の浄瑠璃『冥途の飛脚』の改作で、藤十郎が当り役の忠兵衛を和事味たっぷりに演じます。そして、我當の八右衛門や秀太郎の梅川と、上方ゆかりの役者により上方和事の醍醐味を存分にご堪能下さい。



夜の部

一、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)

 小野春道の屋敷では、家宝である小野小町の短冊が盗み出されていました。そこへ粂寺弾正が、主人文屋豊秀と春道の息女錦の前との婚儀の催促のため来訪します。姫は髪の毛が逆立つという奇病にかかっていました。ひとりでに動く毛抜から事の真相を突き止めた弾正は、小町の短冊も取り戻して悠々と屋敷を後にするのでした。
 奇抜な趣向を取り込んだ、歌舞伎十八番のひとつです。弾正は才智に長けた人物でありながら、愛嬌のある魅力あふれる主人公です。海老蔵が家の芸に初役で挑みます。


二、仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)

  九段目 山科閑居

 加古川本蔵の後妻戸無瀬は、娘小浪を許嫁の大星力弥に嫁がせるため、山科の大星由良之助の閑居を訪れますが、由良之助の女房お石に祝言を拒まれ、戸無瀬と小浪は死ぬ覚悟を決めます。そこへ虚無僧姿で現れたのは本蔵でした。本蔵は力弥の槍にわざと突かれ、由良之助に高師直の屋敷の図面を渡し息絶えます。由良之助は仇討ちを果たすべく、本蔵の虚無僧姿を借りて旅に出るのでした。

 義太夫狂言の傑作『仮名手本忠臣蔵』。中でもこの「九段目」は武家社会のしがらみや父娘の情を重厚かつ繊細に描き出した一幕です。


三、上、藤娘(ふじむすめ)

 辺り一面に藤が咲き乱れる中現れたひとりの娘。大津絵から抜け出したように可憐な娘は実は藤の精。自らの切ない恋心を踊りに託します。

 近江八景を詠み込んだクドキや、「藤音頭」、手踊りなど、見どころの多い女方舞踊の代表作を扇雀が初役で踊ります。

  下、供奴(ともやっこ)

 夜桜が美しい春の宵、新吉原へ旦那のお供で来た奴駒平が、威勢のいい掛け声とともに、箱提灯を手にして駆けて来ます。駒平は旦那の伊達で粋な様子を自慢げに語り、その足取りを真似たりします。そうするうちに旦那を見失ってしまった駒平は、旦那を捜して駆け去っていくのでした。
 奴の軽快な踊り、そして足拍子の面白さ。お正月らしく楽しい長唄舞踊を、翫雀が軽快に踊ります。

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