
【見どころ】
市川猿之助一門の若手俳優で構成する二十一世紀歌舞伎組が「獨道中五十三驛」に挑みます。中日劇場では、1982年、1997年と猿之助が演じて大好評を博した当たり狂言で、今回は10年ぶりの復活上演となります。
奇想天外なストーリー展開に、宙乗り、早替り、大立ち回りといったケレン味たっぷりの演出を随所に散りばめた、猿之助十八番の中でも最も人気の高い作品です。
京都を振り出しに、関、亀山、四日市、桑名、知立、岡崎と、ご当地での奮闘も織り込んで、十五役早替り、海中での立ち回りなど、息もつかせぬ見せ場の連続で、猿之助歌舞伎の醍醐味を満喫していただきます。
特にこの通し狂言のハイライトは岡崎・無量寺の場で、化け猫が十二単をまとって宙を飛びます。客席の頭上を、舞台の端から二階席の奥までの最長距離を斜めに飛ぶ宙乗りは、他の劇場では見られない中日劇場だけの大仕掛けです。
スピーディーでわかりやすく、楽しさ満載の娯楽超大作をぜひお見逃しなく!
【ものがたり】
丹波国を治める由留木家には大学と調之助の二人の男子がいた。しかし、大学は側室と悪臣赤堀官太夫の間に生まれた不義の子。その事情を知る当主は大病に侵されて、家督を江戸にいる調之助に譲ろうとする。しかし、相続には二つの家宝が必要だった。
一方、官太夫は家宝紛失を理由に調之助を失脚させ、大学に家督を継がせようとしていた。そこで、江戸への使者、丹波与惣兵衛を息子の水右衛門と源吾に襲わせ、まんまと二つの家宝を手に入れて水右衛門とともに江戸へ向かう。
殺された与惣兵衛の息子与八郎も官太夫の陰謀を知り、二人を追って江戸へ。京都三條大橋を振り出しに江戸日本橋まで、東海道五十三宿を舞台に善玉、悪玉が入り乱れ、追いつ追われつの旅が始まった。
途中「東海道中膝栗毛」でおなじみの弥次郎兵衛、喜多八ならぬ弥次・喜多の女房おやえ、おきちもコミカルに登場。岡崎の無量寺では恐ろしい化け猫にも遭遇する。
やがて、お江戸日本橋も近くなり、果たして与八郎ら忠臣たちは無事に二つの家宝を取り戻すことができるのか。お家騒動はめでたく落着するのだろうか...