みどころ



新橋演舞場

八月花形歌舞伎

平成22年8月7日(土)~28日(土)


第一部

訪欧凱旋公演

義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)

[鳥居前]都落ちを余儀なくされた義経が伏見稲荷にさしかかると、愛妾の静御前が追ってきます。義経は静御前に都へ留まるように諭し、初音の鼓を預けて立ち去ります。悲嘆にくれる静御前を早見藤太が引き立てようとしますが、義経の家臣佐藤忠信が駆けつけ、藤太を蹴散らします。忠信の働きに感じ入った義経は、静御前の守護を命じ、西国へ落ちのびていきます。
[道行初音旅]静御前は義経を追って吉野山へ分け入っていきます。いつの間にか忠信の姿を見失いますが、初音の鼓を打ち鳴らすと、どこからともなく姿を現します。やがて忠信と静御前は、壇ノ浦の合戦の様子を物語り、旅の憂さを晴らすと、さらに山中を目指すのでした。
[川連法眼館]川連法眼の館に匿われている義経のもとへ佐藤忠信が参上します。義経は忠信に静御前の行方を訊ねますが、覚えがない様子。その時、静御前ともう一人の佐藤忠信が館へ到着したことが告げられます。不審に思った義経は......。
 本年六月ロンドン、ローマ公演において大好評を博した、三大義太夫狂言のひとつ『義経千本桜』より狐忠信に焦点をあてた物語を凱旋公演として上演します。



第二部

一、暗闇の丑松(くらやみうしまつ)

 料理人の丑松にはお米という恋女房がいます。お米の母で強欲なお熊は、二人を別れさせ、お米に妾奉公を承諾させようとします。それを知った丑松は、お熊と見張りの浪人を殺害し、兄貴分の四郎兵衛にお米を預け、旅に出ます。一年後、江戸へ戻った丑松は偶然、女郎になったお米に再会。丑松はお米が四郎兵衛に騙され、苦界に売り飛ばされたと事情を語りますが、四郎兵衛を信じる丑松は耳を貸しません。絶望したお米は......。
 不幸な運命に翻弄される男女の姿を描いた、長谷川伸の名作をご覧下さい。


二、京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)

 桜が咲き誇る紀州の道成寺。白拍子花子が、再興された撞鐘を拝ませてほしいと頼みますが、その代りに舞を所望されます。すると花子は舞い始め、次々と華やかな踊りを披露するうちに、鐘の中へと飛び込んでしまいます。実は花子は先年、恋の恨みから蛇体となって道成寺の撞鐘を焼いた清姫の怨霊でした。やがて花子が鐘の中から蛇体となって現れますが、大館左馬五郎照剛が現れ退散させるのでした。
 さまざまな女心を踊り分けるのが魅力の長唄舞踊の大曲です。



第三部

通し狂言

東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん)

 民谷伊右衛門は、妻のお岩と引き離され、また御家断絶の騒動に紛れて御用金を盗んだことを知った舅の四谷左門を手にかけます。一方、お岩の妹お袖に横恋慕する直助権兵衛は、お袖の許嫁の佐藤与茂七を襲います。伊右衛門と直助は、犯人を知らないお岩お袖の姉妹を騙し、敵を討ってやると約束します。伊右衛門のもとに戻ったお岩は、産後の肥立ちが悪く、隣家の伊藤喜兵衛宅から贈られた薬を飲むと発熱し苦しみだします。実は、贈られた薬は毒薬で、孫娘お梅のためにお岩の顔を醜くして伊右衛門と夫婦別れさせようとの喜兵衛の策略でした。伊右衛門も、お岩の世話をする按摩宅悦に不義をしかけるよう指示するなど、心変わり。宅悦から真相を聞いたお岩は......。
 「髪梳き」「戸板返し」「提灯抜け」と怨念や恐怖を効果的に見せる歌舞伎ならではの演出と仕掛けも見どころの鶴屋南北の代表作。人間の業を赤裸々に描いた、夏芝居にふさわしい怪談物の傑作をお楽しみ下さい。

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