藤十郎 白玉蘭賞を受賞

藤十郎 白玉蘭賞を受賞

 舞台上で揮毫した書を前に

 坂田藤十郎が外国人として初めて、中国の演劇界では最大規模でかつ権威のある賞とされる白玉蘭戯劇特殊貢献奨を受賞し、4月10日上海戯劇学院において授賞式典が行われました。

 今回の賞の対象となったのは、昨年9月、日中国交正常化35周年を記念し、坂田藤十郎、中村翫雀らを中心に、北京・杭州・上海・広州にて『傾城反魂香』と『英執着獅子』を上演した松竹大歌舞伎近松座公演。

 中国全体の演劇の中から選ばれ、今回で18回目となる同賞の受賞式典は、白玉蘭賞各賞受賞者の中から幾人かが、それぞれの授賞対象演目を一部分演じる形で進行していきました。

藤十郎 白玉蘭賞を受賞

 白玉蘭戯劇特殊貢献奨の授与になると、紋付袴姿の坂田藤十郎が舞台中央に進み、表彰状とトロフィーを手にしながら「中国で多くの皆さんに歌舞伎を観ていただき、そしてこのような大きな賞をいただくことができ心より嬉しく思います。これからも日本と中国の友好のために努力したいと思います」と感激の面持ちで挨拶。客席からは大きな拍手がおこり、盛大な演出とともに心温まる式典となりました。

 また、4月8日に授賞式典前の行事として上海新劇芸術センターで行われた“芸術フォーラム”にも参加した藤十郎は、昆劇界で高名な蔡正仁氏(第5回白玉蘭賞受賞者)と、歌舞伎の歴史や特徴と、中国の伝統芸術とされる昆劇や京劇との共通点や専門的な事例について意見交換を行いました。

藤十郎 白玉蘭賞を受賞

 写真:中央・坂田藤十郎、右・蔡正仁氏

2008/05/28