七之助 「錦秋特別公演 芯」への思い

七之助 「錦秋特別公演 芯」への思い

 10月8日(木)~24日(土)、中村勘太郎、中村七之助が、太鼓の林英哲、津軽三味線の高橋竹童らと共演する「錦秋特別公演 芯」が開催されます。公演への思いを中村七之助が語りました。

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 兄と2人で錦秋特別公演を続けて参りましたが、今年は、林英哲さん、高橋竹童さんを招いての公演となります。古典芸能同士での横の繋がりというのは意外と少なくて、今回、林英哲さんの太鼓、高橋竹童さんの津軽三味線と共演させていただく機会を得て、新しい何かが生まれるのではないかと、今から楽しみにしています。

 プログラムはまず、林英哲さんの太鼓で始まり、高橋竹童さんの津軽三味線と続きます。勢いのある2人の演奏の後、兄と2人で踊る『二人椀久』という幻想的な舞踊でお客様に一息ついていただき、最後は4人の個性がぶつかり合う派手なコラボレーション『芯』でクライマックスを迎えます。

 『二人椀久』は新町の傾城松山に入れあげた大坂の豪商椀久が、豪遊の果てに座敷牢に入れられ狂ってしまう、その椀久の夢を幻想的に描いた素晴らしい舞踊です。幻想の中に悲しみがあってとても難しく、しかも初役ですので、チャレンジする気持ちで勤めたいと思っています。

 最後にお届けする『芯』は4人のコラボレーションということもあり、この公演一番の見どころになると思います。藤間勘十郞さんの演出と振付、田中傳左衛門さん、林英哲さん監修の音楽が今からとても楽しみですし、皆に負けないよう精一杯勤めたいと思っています。

 同じ世代、同じ伝統芸能の世界にいる人達と、同じ舞台でご一緒できるということはとても刺激になるし、この公演でさらに親交を深め、歳を重ねてもご一緒できればきっと歌舞伎の為にもなると思っています。女性の方でも男性の方でも楽しめる舞台になると思うので、期待して欲しいし、ぜひ観に来て頂きたいと思っています。

「錦秋特別公演 芯」 ホームページ

2009/09/01