藤十郎、文化勲章の喜びを語る

藤十郎、文化勲章の喜びを語る

 10月27日、平成21年度の文化勲章受章者が発表され、その一人として選ばれた坂田藤十郎が、受章の喜びやこれからの目標について語りました。

 受章のお話を聞いた時はびっくりしたと同時に、若い頃お稽古していただいた先生方の顔が頭に浮かんで参りまして、心から御礼を申しました。また、10月の「歌舞伎座さよなら公演 芸術祭十月大歌舞伎」では、『河庄』の治兵衛を勤めさせていただきましたが、祖父や父からも「しっかりやれよ」と励まされたような気持ちになりました。

 肉体の滅びるまでやり続けなければいけないという決意、また生まれ変わらせていただいたような気持ちも、新たに湧いて参ります。幸いなことに現在歌舞伎は世代ごとに充実しバランスも良く、とても良い状態ではないでしょうか。皆が一生懸命に歌舞伎を愛していけば、今以上に歌舞伎が栄える事になると思います。これからは文化がさらに大切にされる時代になると思います。400年続いている歌舞伎の持つ伝統の良さを皆で大事に守っていきたいと思っております。

2009/10/28